著者
山田 量崇
出版者
徳島県立博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

外傷性受精に関わる雌雄交尾器の機能と構造を把握し,得られた系統仮説に基づいて外傷性受精の進化を考察した.副交尾器の各器官の形質状態は,概ね従来の族のまとまりを支持した.雌のmesospermalege(精子の貯蔵器官)は,族レベルでさまざまな程度に変化していた.分子系統樹上の族間の系統関係は,形態では共通の祖先に由来することが強く示唆されてきたハナカメムシ族とホソナガハナカメムシ族がかなり遠縁のクレードに分かれるなど,一部形態情報と一致しなかった.
著者
山田 量崇 中山 恒友
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.185-189, 2013-08-25 (Released:2013-11-07)
参考文献数
14

An anthocorid bug species, Dufouriellus ater (Dufour, 1833), which was abundantly collected by light trap for stored food insect pests in a factory in Gunma Prefecture, is recorded from Japan for the first time. This species is known mainly from the Holarctic Region, and recently introduced to the South America and Hawaii. Introduced populations in North America and Hawaii have been found from stored products and wood products. It is assumed that this species has been accidentally introduced to Japan recently as its occurrence is mainly restricted to certain areas in Kantô District. Brief notes on the diagnostic characters and biological information are also provided.
著者
山田 量崇 Weirauch Christiane 蔡 經甫
出版者
徳島県立博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ムクゲカメムシ下目の主要3科(ムクゲカメムシ科、オオムクゲカメムシ科、ノミカメムシ科)に対し、飼育実験系を確立し、交尾行動の観察を行った。3科ともメスの右側方からオスの腹部が挿入されて接合するオス上位の姿勢が観察された。ムクゲカメムシ科の交尾ペアの形態観察から、オスの腹部付属片の機能について検証した。第3~8腹節の付属片(側背板)がメスの腹部後方を背腹面に挟むように把握することがわかった。メス側には、把握される部位(背板の一部)がやや厚くなるなどの形態の変化が見られた。科ごとにオスの腹部第8側背板の機能が異なっていた。