著者
遠藤 秀紀 林 良博 山際 大志郎 鯉江 洋 山谷 吉樹 木村 順平
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.67-76, 2000-03
被引用文献数
1

太平洋戦争中の東京都によるいわゆる猛獣処分によって, 3頭のアジアゾウが殺処分となったことは, よく知られている。これら3頭のゾウに関しては, 東京大学や国立科学博物館などに遺体の一部が残されている可能性が示唆されていた。本研究では, 3頭のアジアゾウの遺体に関し, 文献と聞き取り調査を行うとともに, 関連が疑われる東京大学農学部収蔵の下顎骨に関しては, X線撮影による年齢査定を進めて処分個体との異同を検討した。その結果, 東京大学農学部に残された下顎骨は他個体のものである可能性が強く, 戦後発掘され国立科学博物館に移送された部分骨は標本化されなかったことが明らかになった。したがって, 東京都恩賜上野動物園に残る雄の切歯を除き, 該当する3頭の遺体は後世に残されることがなかったと判断された。また遺体から残された形態学的研究成果は, 剖検現場の懸命の努力を物語っていたが, 研究水準はけっして高いとはいえず, 十分な歴史的評価を与えることはできなかった。
著者
関 瀬利 関 真美子 萩原 聡子 八重樫 昌也 手島 健次 浅野 和之 山谷 吉樹
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-5, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

頸部のオンコサイトーマと診断された10歳齢の避妊雌のスピッツが腫瘤再発の精査のために紹介来院した。胸部X線検査で肺水腫が確認され、症例はその検査時に重度の呼吸困難を呈し始めた。挿管し、陽圧換気と呼気終末陽圧を実施したところ、第2病日後に肺野の浸潤陰影が消失した。頸部腫瘤に関連した陰圧性肺水腫が示唆され、切除不可能な腫瘤によって生じた上部気道狭窄を緩和するために永久気管開口術が実施された。犬は第13病日に退院し、術後312日まで生存した。