著者
山野 愛子ジェーン 青木 和子 渡辺 聰子 中根 正子 山下 牧子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.23-32, 2004-03-31

現在まで、車椅子利用者(チェア・ウォーカー)に向けてキモノが簡単に着られるようにと研究開発し、その成果は美容福祉学会や講演などをとおし障害者をモデルに多くの方々に紹介して来た。「美容福祉」における新たなひとつの手段として、その効果は大変大きかったはずである。しかし、その内容はまだ一部のキモノ(浴衣、振袖、留袖など)に限定されていて、全てに適応できる状態にはなっていない。そこで今回は、可能な範囲を広めるべく「車椅子利用者のための和装婚礼衣装」を考案した。実践可能と判断し、ここで一例を紹介したい。
著者
山野 愛子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.45-51, 1993-03-25

飛鳥時代および奈良時代に作られた万葉集には紅色が多く歌われ,この紅色が日本古代を象徴する色彩といえる。これは,当時の仏像が極色彩であったことにも共通し,中国特に唐文明の影響と考えられる。平安時代に入ると,都は唐の長安を模して造営されたにも拘わらず,この頃から唐風の礼服が和風の「衣冠束帯」になり,「田楽」や「今様」が愛好され,仮名文字による古今和歌集が作られたように,日本独自の美意識や文化が生れ育つようになる。この美意識の変遷が,紅粧から白塗りの化粧への変化として表れた。この平安時代の色彩感覚の変遷を当時の貴族文化から考察した。
著者
山野 愛子ジェーン 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-11, 2006-03-25

高齢や何らかの障害により立位をとることが難しく通常とる姿勢が座位という方にとって、和装は困難・不可能などと思われているが、筆者らは前回の研究(Vol.12)で「車イス利用者のための和装婚礼衣裳」を取り上げ、それまでの留袖、振袖などに加え車イス利用の成人女子の着付けの可能性を広げてきた。そこで、今回は花婿の衣裳にも象徴され男子の礼装の最高位に位置する「紋服」に注目し、僅かな工夫をした上で、その着装を試みたので、ここにご報告させていただく。