著者
山野 愛子ジェーン 青木 和子 渡辺 聰子 中根 正子 山下 牧子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.23-32, 2004-03-31

現在まで、車椅子利用者(チェア・ウォーカー)に向けてキモノが簡単に着られるようにと研究開発し、その成果は美容福祉学会や講演などをとおし障害者をモデルに多くの方々に紹介して来た。「美容福祉」における新たなひとつの手段として、その効果は大変大きかったはずである。しかし、その内容はまだ一部のキモノ(浴衣、振袖、留袖など)に限定されていて、全てに適応できる状態にはなっていない。そこで今回は、可能な範囲を広めるべく「車椅子利用者のための和装婚礼衣装」を考案した。実践可能と判断し、ここで一例を紹介したい。
著者
加藤 宏 青木 和子 永井 伸幸 近藤 邦夫
出版者
筑波技術短期大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.7-13, 2005

重度視覚障害者に対する学力判定試験として音声による試験の可能性を検討するために英語と国語問題の試行試験を行った.点字触読技能を十分に習得していない重度視覚障害学生のためのリスニングによる試験方法を検討するためである.問題はコンピュータの合成音声,デジタル・ボイスレコーダで録音した肉声をパソコン再生,DAISY レコーダの3方式で提示された.科目は英語の語彙力テスト,英語読解問題と国語の読解問題であった.いずれの形式でも視覚障害者は音声のみで回答可能であり,試験における特別措置の方法としての可能性が示唆された.解答所要時間は問題録音時間の1.1 倍から2.6 倍要した.点字や墨字試験との比較を行い特別措置としての標準化研究が必要である.
著者
加藤 宏 青木 和子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:18818587)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-29, 2007

平成18年度大学入試センター試験から英語リスニング試験が導入され、視覚に障害のある受験生にもリスニングが課されることになった。障害を補償するための特別措置方法と回答行動の分析は、今後、視覚障害者の英語教育研究の課題となると考えられる。リスニング試験は、時間延長に加えて連続・音止め方式という2つの試験方法を受験生が選択する方式が採用された。リスニング試験の視覚障害者特別措置としては他に実用英語技能検定(英検)の解答時間の一律2倍延長方式がある。本研究はセンター試験の試行テストと英検準2級問題のリスニング問題を用い、視覚障害学生の両試験における解答方略や認知リソースの配分を解答行動を中心に分析した。
著者
青木 和子
出版者
学校法人 山野学苑 山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.28.29, pp.1-13, 2022 (Released:2022-05-03)

現在の和服姿における帯の代表的な容(かたち)である「お太鼓結び」について、その結び方の歴史とその構造がどのように現在に至るまで変化してきたのかを明らかにする。そしてなぜ、長い年月を経た今もなお「お太鼓結び」が帯結びの典型で継続しているのかについて、江戸時代末期と現在の帯型の類型を比較し実際に帯を締める実践研究を行うことにより、その社会的・機能的要因を論じる。
著者
Martin Pauly 青木 和子 市川 あゆみ 島田 啓史 野村 香介 日向 賢
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.67-73, 2004

平成15年7月4日から7月18日までの日程で、学生3名、教官2名、技官1名が本学の姉妹校であるアメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)とナショナル聾工科大学(NTID)を主として訪問した。これは、視覚部アメリカ研修旅行としては第4回目である。UBでは、リハビリテーション・サイエンス学部、障害補償技術センター、障害者サービス室、スポーツ医学施設見学やELIの英語のクラスへ参加した。さらには、バッファロー市の視覚障害センターや自立生活センターの訪問などを通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。ロチェスターではNTIDの施設見学を行った。他には、ナイアガラの滝、エリー運河、博物館なども訪れ、アメリカの自然、歴史に触れる機会となった。参加者各自がそれぞれの視点で今回の海外研修についてレポートする。
著者
山野 ジェーン愛子 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子 西川 奈実
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-55, 2007-03-20

著者らは「車椅子利用者のための和装婚礼衣装」(Vol, 12)「車イス利用者のための紋服」(Vol.14)で取り上げた研究によって、ほぼ全ての種類の着物が重イス利用者に対して着付け可能であることを立証できたと思っている。しかし、それらは成人向けであることから、今回は、車イス利用者の子供への着物着付けを試みた。子供への着付けは障害者を問うこと以前にじっとしていないなど困難な面もあるが、障害児へ可能性がまたひとつ広がったので、ここにご報告させていただく。
著者
山野 愛子ジェーン 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-11, 2006-03-25

高齢や何らかの障害により立位をとることが難しく通常とる姿勢が座位という方にとって、和装は困難・不可能などと思われているが、筆者らは前回の研究(Vol.12)で「車イス利用者のための和装婚礼衣裳」を取り上げ、それまでの留袖、振袖などに加え車イス利用の成人女子の着付けの可能性を広げてきた。そこで、今回は花婿の衣裳にも象徴され男子の礼装の最高位に位置する「紋服」に注目し、僅かな工夫をした上で、その着装を試みたので、ここにご報告させていただく。
著者
山本 將 河野 誠二 岡島 由佳 青木 和子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.27-37, 2002

美容や理容にとって頭毛は最も重要な施術素材であり洗髪など頭毛が水または水溶液に浸漬される機会も多いが,その物理的性質に関する情報は少ない。そこで頭毛の含水量に対する反応について研究した。頭毛は水中で膨潤するが,直毛赤毛,直毛黒毛,波状毛黒毛では10〜12%の仮直径の増加でいずれも差がなかった。なお同一個体由来の59本の直毛黒毛ヴァージン毛の%増加率平均値と標準偏差は112(%)±2.5である。長さの変化も同一個体の直毛黒毛による実験でそれぞれ101.9(%)±0.24であった。水中に浸漬した頭毛は急速に吸水し,約2分で最大値に達して安定する。この変化を同一頭毛で繰り返すと,わずかだが塑性変形の傾向を示す。また膨潤による仮直径の%増加率は,その太さにかかわらずほぼ一定である。一方で,頭毛の横断ブロックでの実験では塑性変形が著明になる。以上のことから,ヘアカットにおいて頭毛含水量を多くした場合の危険性について考察した。さらに頭毛の実験において,その直径に言及する必要があるときはその代用として仮直径を用いることの妥当性を論じた。