- 著者
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門脇 誠一
岡本 秀彦
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
- 雑誌
- 臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.4, pp.143-147, 2022-08-01 (Released:2022-08-02)
- 参考文献数
- 18
音声刺激において音圧は一定ではなく変化している。時間分解能とは音圧の包絡線の変化を検出する能力であり, 言葉の知覚において重要であると考えられている。時間分解能は一般的な聴力検査では測定しておらず, 現在主に使用されている検査法は, 広帯域雑音の中に無音を挿入し, どの程度の短さまで無音を知覚できるかを示すギャップ検出閾値 (gap detection threshold, GDT) を測定するGap-in-Noise testである。検査に応答できない乳幼児や, 集中力の続かない小児など, 自覚的検査では限界があり, 脳波を用いた時間分解能の他覚的検査が現在研究されている。ミスマッチ陰性反応 (MMN) や頭頂部緩反応, 聴性定常反応 (ASSR) 等の誘発脳波を利用した研究があり, 本報ではそれらの内容をまとめて報告する。現段階では, 広く臨床の場で使用するのはまだ難しく, 今後の研究の発展が期待されている。