著者
岡林 春雄
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.109-116, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
22

平成30 年度に心理学では,国家資格の養成制度がスタートする。そのような中で,心理学教育をあらためて考える必要が出てきた。科学としての心理学の歴史,そして,これまでに心理学に起こった資格制度の絡む混乱を検討することによって,心理学教育にあたっては,①応用型の学力観をもち,学習者に向き合い,人間教育を忘れずに行うこと,②心理学理論が出てくる背景を方法論とともに理解し,自分の都合での勝手な解釈・判断を排除すること,③学習者の主体性を重視し,学習者が成長するきっかけを与える教育をすること,④大学前教育(高校教育等)で心理学を行う場合,心理作用のメカニズムに言及し,学習者の人間関係のさらなる向上を目指す教育が必要である,といったことが提起された。