著者
堀 智英 岡田 喜克 町支 秀樹 宗行 毅 永井 盛太 岸和田 昌之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.673-679, 2003-06-05
被引用文献数
17

症例は87歳女性. 突然の嘔吐, 心窩部痛および腹部膨満感を来し入院. 上部消化管造影および内視鏡検査で径5cm大の胃寄薩部腫瘍の十二指腸球部脱出嵌頓と診断され, 内視鏡的整復不能のため, 腫瘍摘出術を施行した. 腫瘍は病理組織学的所見で紡錘型細胞の束状増生を認め, 核分裂像は2個/10視野. 免疫組織学的にc-kit,CD34S-100蛋白陽性. 電顕で神経内分泌穎粒を認め, 良性GANTと診断. 術後3年2カ月目の現在, 再発を認めない.
著者
冨田 隆 田矢 功司 島村 栄員 岡田 喜克 岩崎 誠 五嶋 博道 吉田 洋一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.17, no.8, pp.1574-1578, 1984-08-01
被引用文献数
20

大腸癌治癒切除例のうち手術時隣接臓器への浸潤が認められ他臓器合併切除を施行したものは 17.2% (10/58) で, 長期生存は3年10ヶ月, 2年6ヶ月の2症例であるが, 局所再発や播種性腹膜炎による死亡は2例のみで, 合併切除の有効性を示すものと思われた. 肉眼的他臓器浸潤例のうち組織学的に癌浸潤は 57.1% にみられ, 他の42.9%は結合織や膿瘍形成による炎症性癒着であった. 特に膿瘍形成例でその内腔に癌細胞が浮遊し, 相手臓器まで膿瘍腔が連続進展していることから癌浸潤が考えられた. したがって炎症性癒着といえども癌直接浸潤を考慮すべきである.