著者
三好 正一 田口 清 青木 創 虻川 孝秀 岡田 洋之 吉野 知男
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.575-578, 2004-09-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15

4歳のホルスタイン種乳牛において分娩後, 食欲の低下とタール便の排泄を認めた. 被毛は粗剛となり脱毛し, 末梢部 (耳介, 尾端) の壊死, 両前膝表皮の脱落および左後肢の壊疽が認められた. 患畜が乾乳中に敷き料として用いられたライ小麦麦秤が赤カビに汚染され, 高濃度のマイコトキシン (デオキシニバレノール) が検出されたこと, また, 患畜がその敷き料を採食していたことから, 発症原因としてマイコトキシン中毒の関与が疑われた.
著者
伊東 登 岡田 洋之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.439-442, 1993-06-15

セキセイインコにおけるクロラムフェニコール(CP)の薬物動態および安全性を調べた. 100mg/kgまたは200mg/kgの筋注後15分で最高血中濃度35.3μg/mlまたは90.7μg/mlに達し, その後半減期2.5ないし2.7時間で減少した. この結果, 100mg/kgのCPを1日3回または200 mg/kgを1日2回投与することによりセキセイインコの感染症の治療に有効であると思われた. CPまたは生理食塩水を1日2回または3回, 5日間筋注後, 赤血球, PCV, ヘモグロビン, 血漿総蛋白, AST, ALT, LDHおよびCKを測定した. 実験前後の体重も測定し, さらに全身臓器を病理組織学的に検索した. 注射の影響として注射部位の筋肉障害が顕著であった. 200mg/kgのCPを1日2回5日間投与する方法は比較的安全であると思われた.