著者
岩井 芳夫 小橋 幸八 恵谷 英之 本田 康司 荒井 康彦
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.1247-1251, 1990-11-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
8
被引用文献数
4 6

生物培養培地に対する酸素の溶解度の基礎的知見を得るため, 純水, 塩化ナトリウム水溶液, 硫酸アンモニウム水溶液およびスクロース水溶液に対する酸素の溶解度を25℃において飽和法により測定した.また, これらの塩の混合水溶液および塩・糖の混合水溶液に対する酸素の溶解度の測定を行った.次に, それらの水溶液に対する酸素の溶解度をSechenovの式で相関することを試みた.アンモニウムイオンおよびスクロースに対する修正されたSehumpeらのパラメーターを用いたところ, 塩もしくは糖を含む水溶液に対する酸素の溶解度の相関結果は良好となった.さらに, Danckwertsの関係を用いて, これらの塩・糖の混合水溶液系に拡張したところ, 単一塩および糖の塩析パラメーターにより, 良好な相関結果が得られた.
著者
岩井 芳夫 下山 裕介
出版者
九州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

超臨界二酸化炭素+エタノール系の電流-電圧特性を系統的に測定した。測定には縦4mm、横4mmの銅製電極を用い、電極間を2mmで測定した。温度308、318K、圧力8.0〜20MPa、エタノールの濃度を0〜2.63mol/Lに変え、直流電圧を0〜5000V印加して電流値を測定した。その結果、一定の印加電圧では温度が高いほど、圧力が低いほど、またエタノール濃度が高いほど電流値が高くなることがわかった。これにより、電流のキャリアはエタノール分子であり、二酸化炭素分子は電流を妨げるように働くと推察された。すなわち、温度が高く、圧力が低くなると電流を妨げる二酸化炭素の密度が減少して電流値が上がり、エタノールの濃度が増加すると電流のキャリアであるエタノール分子の密度が増加して電流値が上がると推察された。電極間に麻糸をたらし、超臨界二酸化炭素+エタノール系308K、8.0MPaにおいて5000Vの直流電圧を印加したところ、麻糸は正極のほうに傾いた。超臨界二酸化炭素のみのときは同様の実験をしても麻糸は動かなかったことより、超臨界二酸化炭素+エタノール系に直流電圧を印加すると流動が発生することが確認できた。ナフタレンをエタノールに溶解させた試料を容器の底に入れ、超臨界二酸化炭素で加圧して308K、8MPaにした。また、容器の底にはあらかじめ電極を挿入した。そして、容器上部のナフタレン濃度を紫外分光器で測定した.電圧を印加しない場合は30分経過しても容器の上部にはナフタレンは検出されなかった。次に、同じ実験条件で徐々に直流電圧を印加したところ、1000V印加した20分後から容器の上部にナフタレンが検出されるようになった。これにより、超臨界二酸化炭素+エタノール系に直流電圧を印加すると系内が撹絆されることが確認された。