著者
土谷 紀美 西村 賢了 岩原 正宜
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.12, pp.878-882, 2002-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11

本報告では, 液体培養で得られる麹菌体を利用したリアクターにより, 菌体結合型グルタミン酸脱炭酸酵素 (GAD) の作用でGABAを生産させることを試みた。さらに, 通電透析により基質であるグルタミン酸との分離も試みた。また, 生産効率を高めるため, 高いGAD活性を有する菌体を得る条件を検討した。その結果, 液体培地のpHが5.0であること, 培地中への50μMのPLPの添加が効果的であることが明らかとなった。液体培養によって得られたペレット状の麹菌体 (乾燥重量6g) のGAD活性を低温処理によって高め, 反応液pHを5.3-5.5にコント'ロールした撹拝槽型リアクターに麹菌体を担体として用い, 菌体上のGADに500mMグルタミン酸と0.5mMピリドキサール5-リン酸を反応させた。今回, 菌体の破砕処理や固定化は行わず, ペレット状の菌体をそのまま用いた。その結果, 100分反応後のGABA濃度は340mM, 200分後には400mMに達し, 基質からの変換率は約80%と高かった。生産効率は8.5mmol-GABA/g麹菌体/hr (0.9g/g/hr) と, 極めて高く, 短時間で高濃度のGABA溶液を得ることができた。その際, リアクターの反応温度は, GADの熱安定性から37℃ が望ましかった。また, グルタミン酸とGABAの分離には, イオン交換膜を利用した通電透析が効率的であることがわかった。
著者
今村 主税 金納 明宏 光岡 ちほみ 北島 俊一 井上 秀顕 岩原 正宜 松本 陽子 上岡 龍一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.116, no.12, pp.942-950, 1996-12-25
被引用文献数
12

Remarkably high inhibitory effects of the hybrid liposomes composed of L-α-dimyristoyl-phosphatidylcholine (DMPC) and polyoxyethylenealkyl ether (C_<14> (EO)_n, n=6-8 and C_<12> (EO)_n, n=8-12)) on the growth of human lymphoma-human B-lymphocyte hybridoma (HF) cells in vitro were obtained. The hybrid liposomes composed of 90 mol% DMPC/10mol% C_<14> (EO)_n (n=6-8) or C_<12> (EO)_n (n=8-12) were more fluid as compared with 90mol% DMPC/10 mol% C_<14> (EO)_4 or C_<12> (EO)_n (n=4,23) hybrid liposomes on the basis of fluorescence polarization measurements. These results suggest that the inhibitory effects of the hybrid liposomes on the growth of HF cells should be related to the membrane fluidity. No toxicity to normal rats in vivo was observed in the experiment using 90mol% DMPC/10mol% C_<14> (EO)_7 or 90mol% DMPC/10mol% C_<12> (EO)_<12> hybrid liposomes.