著者
川平 敏文 合山 林太郎 高山 大毅 山本 嘉孝 天野 聡一 岩崎 義則 吉田 宰
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

「近世随筆」とは、17~19世紀の日本において、学者や文筆家が、事物の由来・人物の評判・市井の噂話など、種々雑多な内容を書き留めた書物群を指す。従来の「近世随筆」研究は、文学・思想史・歴史の研究者が、それぞれの分野的関心や研究ディシプリンに沿うかたちで行ってきた。しかし、本ジャンルのもつ内容的な広がりに着目するならば、それら三つの研究領域を横断的に貫く視点も重要ではなかろうか。このような考えのもと、本研究では、文学・思想史・歴史の研究者が一堂に会して、「近世随筆」の成立・展開・終焉などの諸問題について領域横断的に議論する。そして最終的には、その成果を資料翻刻と研究論集という形で、世に公表する。
著者
岩崎 義則
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

第九代平戸藩主松浦静山の随筆「甲子夜話」(全278巻)について、東洋文庫本『甲子夜話』(全20冊)を底本とした全文のテキスト入力データをもとに、ネットワークサーバ上に全文検索システムを構築し公開した(http://yosi-iwa.sakura.ne.jp/programs/essay/contents)。あわせて、『甲子夜話』執筆にあたり、重要な情報源となった平戸藩楽歳堂文庫とその蔵書目録について調査研究を行い、蔵書目録の作成・伝来過程を明らかにした。
著者
岩崎 義則
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平戸藩主松浦静山が創設した平戸藩楽歳堂文庫(以下,「楽歳堂」)を研究対象とし,その文庫をめぐる書物環境と文庫の形成過程を明らかにする観点から,静山が成作・入手した蔵書目録を中心とした研究を行った。松浦史料博物館に伝来する各種の蔵書目録から,書目のデータベース化を行い,これをWEB上で公開。楽歳堂のほぼ全容を復元できた。また,比較対象として,静山と書物をめぐり親密な交流があった豊後佐伯藩主毛利高標と佐伯文庫を取り上げた。楽歳堂にある佐伯文庫の蔵書目録を検討し,文庫の形成過程・管理方法等が解明できた。また,高標の長崎からの輸入漢籍調達が,楽歳堂の漢籍収集に与えた影響・意義等を明らかにできた。