著者
杉山 悟 東 信良 孟 真 保田 知生 市来 正隆 佐久田 斉 松原 忍 八杉 巧 山田 典一 三井 信介 八巻 隆 岩田 博英 坂田 雅宏 佐戸川 弘之 菅野 範英 西部 俊哉
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.403-409, 2014 (Released:2014-11-25)
参考文献数
6
被引用文献数
7 2

要約:全国的には今まで十分な調査が行われていていなかった弾性ストッキングの使用状況と合併症の実態について,本学会の弾性ストッキング・コンダクター養成委員会とサーベイ委員会により調査を行った.192 施設からの有効回答があり,重大な合併症として,神経障害6 施設,潰瘍形成20 施設,下腿切断1 施設(心不全合併),肺塞栓2 施設,合計で28 施設(15%)からの報告があった.弾性ストッキングの適切な使用のためには,正しい理解の広い啓蒙が必要である.患者に対し圧迫療法を適切に指導するために,日本静脈学会が資格として認定しているストッキング・コンダクターの有資格者を中心とした医療スタッフによる適切な指導と経過観察が重要である.
著者
平井 正文 岩田 博英 宮崎 慶子 小山 明男 小南 幸哉
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.31-37, 2012-02-25 (Released:2012-02-28)
参考文献数
16

弾性着衣や弾性包帯の四肢静脈疾患,リンパ浮腫への臨床応用では,圧迫圧と同様に伸び硬度も考慮するべきである.本文では,伸び硬度測定器を用いた弾性ストッキング,弾性包帯の単独使用あるいは種々の組み合わせ下における伸び硬度の測定結果を記載した.伸び硬度は,その組み合わせ方法─2枚の弾性ストッキング,弾性ストッキングの上に弾性包帯,2本の弾性包帯─によって変化するが,各組み合わせの中では,最初の圧迫圧が強く,また軽度伸縮性包帯を一番外側に用いたときに大きな伸び硬度が得られた.各組み合わせの伸び硬度を比較すると,2本の軽度伸縮性包帯を用いた組み合わせが最大の伸び硬度を示し,2枚の弾性ストッキングの重ね着が最も小さな伸び硬度であった.それゆえ,圧迫療法を組み合わせるときには,圧迫圧に加え伸び硬度も考慮し,それぞれの長所と短所を頭に入れて組み合わせ方法を選択するべきである.