著者
佐久田 斉 嶌田 泰之 原 正幸 立原 啓正 大木 隆生
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.99-104, 2017-06-10 (Released:2017-06-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Kounis症候群はアレルギー反応に伴い急性冠症候群をきたす症候群である。60歳代男性,増大傾向のある腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術中にPVCとST上昇が出現しショックに陥った。冠動脈造影にて左前下行枝と回旋枝の広範囲閉塞を認め,#6に対してPCIを施行した。PCPSを装着したが心機能は回復せず第一病日に失った。本例は術前冠動脈CT検査の際に造影剤アレルギーが疑われており,臨床経過と冠動脈造影所見からKounis症候群が疑われた。
著者
杉山 悟 東 信良 孟 真 保田 知生 市来 正隆 佐久田 斉 松原 忍 八杉 巧 山田 典一 三井 信介 八巻 隆 岩田 博英 坂田 雅宏 佐戸川 弘之 菅野 範英 西部 俊哉
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.403-409, 2014 (Released:2014-11-25)
参考文献数
6
被引用文献数
7 2

要約:全国的には今まで十分な調査が行われていていなかった弾性ストッキングの使用状況と合併症の実態について,本学会の弾性ストッキング・コンダクター養成委員会とサーベイ委員会により調査を行った.192 施設からの有効回答があり,重大な合併症として,神経障害6 施設,潰瘍形成20 施設,下腿切断1 施設(心不全合併),肺塞栓2 施設,合計で28 施設(15%)からの報告があった.弾性ストッキングの適切な使用のためには,正しい理解の広い啓蒙が必要である.患者に対し圧迫療法を適切に指導するために,日本静脈学会が資格として認定しているストッキング・コンダクターの有資格者を中心とした医療スタッフによる適切な指導と経過観察が重要である.
著者
長嵜 悦子 佐久田 斉 仲栄真 盛保 比嘉 昇 國吉 幸男 古謝 景春
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.2913-2917, 2003-11-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1

肺塞栓症の塞栓源として下肢深部静脈血栓症が知られている.肺塞栓症を合併した孤立性ヒラメ筋静脈血栓症の3症例を経験したので報告する.症例1: 59歳,女性. Cushing syndromeに対する腹腔鏡下副腎摘出術後3日目に胸部圧迫感,低酸素血症が出現.症例2: 54歳,女性.卵巣癌の既往があり1カ月前より左下腿鈍痛が出現.症例3: 44歳,女性.両下腿に腫脹,鈍痛があり,階段昇降時に息切れを自覚.いずれも下肢超音波検査でヒラメ筋静脈のみに限局した血栓,肺血流シンチで肺血流欠損像,胸部造影CT検査で多発性肺動脈血栓を認めた. 3例中1例にウロキナーゼによる血栓溶解療法,全例に抗凝固療法を行い症状の改善が得られた.ヒラメ筋静脈血栓症は臨床症状が乏しいため見落とされやすい.しかし肺塞栓症の合併,血栓の中枢側進展,再発を繰り返すことがあり,積極的に診断,治療,予防する必要がある.
著者
玉木 正人 下地 光好 久貝 忠男 大田 治 佐久田 斉 川畑 勉 鎌田 義彦 宮城 和史 赤崎 満 大嶺 靖 伊波 潔 国吉 幸男 古謝 景春 草場 昭 Tamaki Masato Shimoji Mituyoshi Kugai Tadao Ohta Osamu Sakuda Satoshi Kawabata Tsutomu Kamada Yoshihiko Miyagi Kazufumi Akasaki Mitsuru Ohmine Yasushi Iha Kiyoshi Kuniyoshi Yukio Koja Kageharu Kusaba Akira 琉球大学医学部外科学第二講座
出版者
琉球医学会
雑誌
琉球医学会誌 = Ryukyu Medical Journal (ISSN:1346888X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.321-327, 1993
被引用文献数
3

A case of schwannoma originating in the right intrathoracic vagus nerve was reported. A 72-yearold woman had an abnormal shadow in the right upper mediastinum on a chest roentgenogram. A CT scan and MRI revealed a tumor in the upper mediastinum compressing the trachea, right carotid artery and right subclavian artery. An incisional biopsyof the mass in the right neck was revealed to be benign schwannoma. The mass was 55 ×42×29mm in size and originated from the right vagusnerve at the proximal level and extended to the branch of the recur-rent laryngeal nerve. There was no evidence of invasion of the mass into the surrounding organsand tissues were evident. Subcapsular ex tirpation was done preserving the nerve fibers. However, postoperative hoarseness due to dysfunction of the recurrent laryngeal nerve occurred. Mediastinal schwannoma originating in the vagus nerve is notso common ; 29 cases have been reported in Japanese literature.