著者
岩隈 美穂
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

13人の研究協力者にインタビューを行った。日本の先進国としての生活スタイル、インターネットを通じての母国とのつながりの保持、日本にはさまざまな外国人たちが多様な目的で来日、長期・短期に渡って滞在し、受け入れ社会についての知識などが、研究参加者の適応に大きな影響を与えていることが明らかになった。さらに研究参加者たちの適応には、身体的、社会的、態度的レベルがあることも本研究で示された。
著者
宮木 幸一 中山 健夫 岩隈 美穂
出版者
国立国際医療研究センター
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本研究の主な目的はゲノム・コホート事業が開始され継続されていく中で市民の事業・研究に対する認知の現状と血液提供意思に影響を与える因子を把握し、それに基づいた市民・研究者双方への情報提供の在り方を検討することである。事業開始前の調査では、年齢階級別に無作為抽出された2000人(回収率53% : 1060部)のうち、研究参加希望者が36.3%(383名)、「わからない」と答えたものが42.3%(447名)、「血液を提供したくない」と答えたものが383名中62.7%(217名)であった。研究参加の理由は「子や孫の世代の健康づくりに役立つ」が最も多く67.5%(75名)であり、研究参加に消極的な理由は「予期しない不利益があるかもしれない」が最も多く584名中45.2%(264名)であった。消極的な層が参加に転じる条件として、「自分の解析結果の提示」を挙げたものが548名中(45.2% : 264名)と最も多かった。事業開始後1年半後に行った2500人対象の調査と聞き取り調査から、信用にたる事業者が提供する「お得な健診」として認知されていることが示唆され、ゲノム研究の認知に関しては国民性の差があることが示唆されているが、我が国でのゲノム疫学研究を進めていく上で参考とすべき事項が明らかとなった。