著者
山崎 史織 山岸 晶子
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.19-28, 2009-01-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
16

近年,里山・雑木林は管理されずに放置されているところが多いため,その林床の多くは藪の状態を呈している。市川市北国分にある小塚山公園の雑木林は1977年に植生調査されて以来,またはそれ以前から伐採や下刈りなどの管理がなされていない。この雑木林は1977年にA~Jの10地点で調査されているが,本調査ではB ,E,G,1の4地点の林分に出現する高木およびその林床に生ずる高木の稚樹や潅木等をマッピングし,樹高や胸高直径などの測定を行った。また,林床の地表30cmでの相対照度(%)を測定し,高木稚樹の分布との関係を考察した。その結果林床の相対照度は大半の場所で1%以下であったが,そのような光環境下で1977年当時にはほとんど出現していなかった常緑の低木・潅木や高木の照葉樹の稚樹が多く出現した。特に種子の供給源となる母樹の存在もあってシラカシ(Quercus myrsinaefolia)の稚樹が最も多く,次にシロダモ(Neolitsea sericea),タブノキ(Machillus thunbeygii)が多く見られた。シラカシとタブノキの稚樹では明るさに対する出現ピークに有意な差が認められ,タブノキはシラカシよりもやや明るいところに多く出現した。この雑木林はこのまま放置されれば,落葉広葉樹の雑木林からシラカシを優占種とする照葉樹林に遷移することが予想された。。
著者
服部 尚子 朝比奈 昭彦 渡辺 孝宏 白井 明 鑑 慎司 渡辺 玲 岸 晶子 大原 國章
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.270-279, 2007-01-15 (Released:2008-01-15)
参考文献数
26

可変式ロングパルスダイレーザー(Vビーム®,595nm-long pulsed dye laser with adjustable pulse duration (ALPDL))は波長595nm,最大出力40 J/cm2のパルスダイレーザーであるが,パルス幅が可変(0.45ms~40ms)で,ダイナミック・クーリング・デバイス®とよばれるテトラフルオロエタンガス(-26.1℃)による皮膚冷却装置を付属していると言う特徴を有する.従来型の機種より波長の長いことから,より深くまでレーザー光が到達し,長いパルス幅,大きい出力により,より少ない副作用で,より大きな血管をターゲットとできる.ALPDLは5種類の円形のハンドピースと3x10mmの矩形のハンドピースを装着することができる.色素斑用ハンドピースは,患部の血管を障害することなく,老人性色素斑等の色素性病変を治療可能としている.ALPDLは,単純性血管腫,苺状血管腫,毛細血管拡張症,老人性色素斑,ウイルス性疣贅, 瘡,肥厚性瘢痕/ケロイド,乾癬,光老化等,様々な病変の治療に利用され,有効であるとの報告が示されている.ALPDLのこれらの疾患への治療可能性について報告する.