- 著者
-
岸田 晶夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
- 雑誌
- Organ Biology (ISSN:13405152)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.27-34, 2018 (Released:2018-03-14)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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近年,脱細胞化組織は組織再生のための移植材料として広く応用されている.脱細胞化組織は,生体組織から細胞成分を除去した三次元構造を有する細胞外マトリックスであり,種々の脱細胞化技術によって得られる.この調製法の違いが,得られる脱細胞化組織の形態や構造,力学的特性,生物活性に強く影響している.臨床でも広く試みられている脱細胞化組織の同所性移植は,細胞が浸潤してECMを再構築し,最終的に元の組織を再生させる.一方で,脱細胞化組織を異所性に移植した場合は,移植部位に適した組織が構築される場合と脱細胞化組織の由来となった組織が異所性に再構築される場合とがある.本稿では,脱細胞化生体組織の作成法,現在の状況および今後の動向について解説した.