著者
松山 洋 泉 岳樹 中山 大地 島村 雄一 長谷川 宏一 尾身 洋
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の主な成果は以下の通りである。(1)葉面積指数をよりよく推定する新植生指標を提案した。(2)常緑針葉樹であるオオシラビソの分布規定要因を定量的に示した。(3)太陽高度の低い時期における衛星画像の地形効果補正法を提案した。(4)集中型モデルであっても融-流出量を精度よく推定できることを示した。(5)北方常緑針葉樹林の生育開始に融雪が影響している可能性を示した。(6)タブレットPCを用いた高速マッピングシステムを構築した。
著者
島村 雄一 泉 岳樹 中山 大地 松山 洋
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.331-348, 2003-07-05
参考文献数
31
被引用文献数
8 8

林床積雪の判別が可能な積雪指標S3 (斎藤&middot;山崎, 1999) をLANDSAT-5/TM画像に適用し, 積雪水当量&middot;融雪量を推定した. 積雪指標の適用を想定したADEOS-II/GLIが未稼働なので, 衛星データへの適用は本研究が初めてである. 1986年の融雪期の黒部湖集水域を対象として, 積雪指標を用いて積雪域を抽出した. ここでは, この地域における標高と積雪水当量の関係 (関西電力株式会社工務部, 1960) と山地積雪モデル (小池ほか, 1985) に基づき算出した2時期 (1986年4月14日と4月30日) の積雪水当量の差を融雪量とした.<BR>推定された融雪量は, 同じ期間の黒部第四ダムでの観測流量と相対誤差&mdash;8.2%で一致した. 植生の影響を考慮せずに可視波長帯から抽出した積雪域を使った場合の推定誤差は&mdash;23.8%であり, この差は積雪指標が林床積雪を判別できているためと考えられる. 以上から, 積雪指標による積雪域の抽出は妥当であり, 植生の影響を考慮しない方法よりも優れていると言える.