著者
島田 恭宏 塩野 充
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.1596-1604, 1990-11-20

本論文では, 小説等の日本語文(漢字かな混じり文)をかな点字に翻訳するパソコン上のシステムについて述べる.点訳処理は, (1)漢字に読みがなを振る, (2)かな文を点字の表記法に対応させる, の2つの処理から構成している.処理(1)では, 形態素解析アルゴリズムでよく知られている, 節数最小法を用いている.漢字かな変換では, 同字異語が問題となり, ことに1文字漢字の読み間違いが頻繁に起こるため, 音訓情報による読みの制御も1文字漢字に対しては行っている.処理(2)では, 分かち書き, 長音における長音符の使用, 助詞「は」「へ」などの処理を行う.これらの処理により, パソコン上で実験を行った結果, 漢字かな変換の正解率88.37%を得た.かな文の点字表記法への対応処理は, 一部の例外を除いては失敗はみられなかった.本システムは, (1)訂正作業が容易である, (2)ローコストなシステムを提供できる, などの特徴を持つ.
著者
東 恒人 島田 恭宏 高橋 武志 佐々木 武
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.11-20, 2007-03-31
被引用文献数
1

本手法で取り扱うメッシュは、2種類の曲線で構成されている.一つは横断面の形を表す曲線であり,もう一つは上記の曲線の配置関係を表した曲線である.これらの曲線は等しい長さの線分から構成されており,各曲線の形状は隣接した線分の間の角度の分布に依存する.本論文では、このような構造のメッシュについて、その形状的な特徴を定量的に分析するために,かつ,角張った形状のメッシュを生成するために,以下のような方法が提案されている.この方法では、二種類の曲線のうちの一方の種類の曲線の角度配布に対して、ウォルシュ変換対が適用され、他方の種類の曲線の角度配布に対して、フーリエ変換対が適用され、変換成分の一部を削除することにより、二種類の曲線のうち、一方の種類の曲線の形状の滑らかさの程度と他方の種類の曲線の形状の角張りの程度が強調されたメッシュが生成されている.
著者
東 恒人 島田 恭宏 島田 英之 佐々木 武
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.45-54, 2008
参考文献数
10

本論文では,デザイン分野での研究を志す初心者を対象とし,断面線と側面線を用いて,三次元メッシュを生成する方法を提案している.この方法の特徴は,次の通りである.(1)ウォルシュ変換とフーリエ変換を利用することにより,メッシュの形状的な特徴をスペクトルの観点から定量的に分析することが可能である.(2)ウォルシュ変換を用いて得られる構成要素から,高交番数成分を削除した後,残った成分に対してウォルシュ逆変換を適用することにより,滑らかな形状のメッシュを角張った形状のメッシュに変形することが可能である.(3)断面線と側面線に対して,互いに異なる変換手法を適用することにより,滑らかな形状を角張った形状に変形させるとともに,角張った形状を滑らかな形状に変形させることが可能である.
著者
島田 英之 島田 恭宏 大倉充
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3392-3401, 2006-12-15

近年,コンピュータにより高品質の毛筆書体をリアルタイムに筆記する研究例が報告されているが,現実の筆記環境と異なる方法で筆記するために,対話性が十分とはいえない.本論文では,筆者らが構築した仮想書道システムについて述べる.ユーザは,3 次元位置センサを内蔵した毛筆でスクリーン上に直接筆記し,実際の毛筆,仮想的な半紙や硯など,現実の書道とほぼ同じ作業環境のもとで,仮想的な書道を体験できる.毛筆が触れた場所に正確に筆跡を生成できるようにシステムをキャリブレーションし,実際の毛筆で筆記した筆跡の実測値に基づいて筆跡を生成する.これにより,毛筆が触れた場所に,実際に毛筆で筆記した場合と同じ太さの筆跡を表示できるので,手本をなぞる初歩的な書写練習も可能となった.また,毛筆の空間的な挙動をモニタし,墨の滴りや飛び散りなどの視覚効果も表現した.この結果,年齢を問わず簡単に操作でき,かつ多様な表現が可能なシステムを構築したので報告する.
著者
島田 英之 島田 恭宏 大倉充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3392-3401, 2006-12-15
被引用文献数
4

近年,コンピュータにより高品質の毛筆書体をリアルタイムに筆記する研究例が報告されているが,現実の筆記環境と異なる方法で筆記するために,対話性が十分とはいえない.本論文では,筆者らが構築した仮想書道システムについて述べる.ユーザは,3 次元位置センサを内蔵した毛筆でスクリーン上に直接筆記し,実際の毛筆,仮想的な半紙や硯など,現実の書道とほぼ同じ作業環境のもとで,仮想的な書道を体験できる.毛筆が触れた場所に正確に筆跡を生成できるようにシステムをキャリブレーションし,実際の毛筆で筆記した筆跡の実測値に基づいて筆跡を生成する.これにより,毛筆が触れた場所に,実際に毛筆で筆記した場合と同じ太さの筆跡を表示できるので,手本をなぞる初歩的な書写練習も可能となった.また,毛筆の空間的な挙動をモニタし,墨の滴りや飛び散りなどの視覚効果も表現した.この結果,年齢を問わず簡単に操作でき,かつ多様な表現が可能なシステムを構築したので報告する.In recent years several methods to generate oriental calligraphic characters are proposed. However, because of unnatural way for drawing (e.g., drawing on a tablet with a pen) these methods are not enough to draw interactively. In this paper we propose a virtual calligraphy system with a real Chinese brush. While a user draws at a screen by Chinese brush with build-in six-degree-of-freedom sensor, the calligraphic handwriting is displayed at same place of drawing. Our system is calibrated by using actual survey of real handwriting and can display handwriting on a screen accurately, therefore the user can practice calligraphy. And also we expressed the situation of dripping and scattering effects of India ink from a brush. As a result any people can perform calligraphy easily with various expression by our system.