著者
今津 嘉宏 金 成俊 小田口 浩 柳澤 紘 崎山 武志
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.121-130, 2012 (Released:2012-10-04)
参考文献数
17
被引用文献数
3 13

背景:モデル・コア・カリキュラムに「和漢薬を概説できる」の一項目が追加され,漢方医学教育が採用された。目的:2007年から漢方医学教育は全国80の医学部全てで行われている。その現状を把握し,大学における漢方医学教育の問題点や,今後漢方専門医等学会に課せられた問題のヒントを得ることを目的に,アンケート調査を行なった。方法:日本東洋医学会渉外委員会は,全国80大学の漢方教育に関するアンケート調査を郵送で実施した。結果:80施設中67施設から回答(回収率83.8%)を得た。漢方医学が医療にとって必要(91%),教育成果の評価のために試験実施(77%),教員養成を行っている(46%)などの結果を得た。結論:卒前の漢方医学教育カリキュラムの充実と,標準化,臨床実習の整備が必要である。今後は卒後教育の確立が必要と考えられた。
著者
崎山 武志 秋葉 哲生
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.599-608, 2005-07-20
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
崎山 武志 石野 尚吾 渡辺 賢治 PLOTNIKOFF Gregory A. 許 鳳浩 FROEHLICH Claus PFLUEGER Kerstin 柳澤 紘
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.99-118, 2009-01-20
被引用文献数
3

世界的に伝統医学が再認識される流れにある。東南アジアの伝統医学は古代中国に端を発し,各国独自の発展を遂げた。これら関係国間の情報交換と意思疎通の手段として,世界保健機構・西太平洋地区(WHO-WPRO)は国際標準用語集(IST)を発刊した。わが国でも,日本漢方の講義が全医学部で行われるようになった。このような流れの中で,世界の中での日本漢方の現状を把握し,どのように世界に発信していくかに関して会議を開く意義は大きいと考える。そこで日本漢方の現状と世界から見た日本漢方とその問題点,同じ古代中国医学を起源とする現代中国と韓国での現状,日本国内で漢方を専門とする医師は日本漢方をどう捉えているのか,について計3回に亘り漢方医学国際会議(仮称)を開催した。「なぜ,今,日本漢方か」の主題,世界各国の医師が日本漢方を選ぶ理由と自国の事情あるいは普及,自分にとって日本漢方はどういうものか;漢方の世界への発信ということを踏まえて,の副題のもと,在日外国医師・医学生と代表的漢方医に講師を依頼し,その後に参加者で総合討論を行った。
著者
伊藤 隆 渡辺 賢治 池内 隆夫 石毛 敦 小曽戸 洋 崎山 武志 田原 英一 三浦 於菟 関矢 信康 及川 哲郎 木村 容子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.195-201, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
1

東洋医学論文には東洋医学を西洋医学のルールで論じることに起因した特異性がある。西洋医学に比較すると,人文科学的要素の多い東洋医学では記述が主観的になる傾向がある。目的,方法,結果,考察は,論文内容を客観化させ,査読者と読者の理解を容易ならしめるために必要な形式と考えられる。より客観的な記述のためには,指定された用語を用いることが理想であるが,現実的には多義性のある用語もあり,論文中での定義を明確にする必要がある。伝統医学では症状と所見と診断の区別が不明瞭な傾向があるが,科学論文では明確に区別して記述しなくてはいけない。新知見を主張するためには,問題の解決がどこまでなされているかをできるだけ明らかにする必要がある。投稿規定の改訂点である,漢方製剤名の記述方法,要旨の文字数,メール投稿について解説した。編集作業の手順について紹介し,再査読と却下の内容に関する最近の議論を述べた。