著者
嵯峨 智
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は,情報化された仮想物体への直感的な双方向触覚インタラクションを実現する触覚提示手法の確立である.静電気力ディスプレイでは,触覚の知覚強度の評価実験を行うことで入力波形と知覚刺激との関連性や,オノマトペの関係を調査した.また,剪断力触覚ディスプレイでは,振動方向の独立制御により,再現性の高い触覚提示を実現した.また,空間中での熱放射による錯触覚提示システムとして,レーザ光源を用いたシステムなどを作成した.これにより多自由度かつ拘束なし,高速な応答性をもつ力覚ディスプレイのプロトタイプを完成させた.このように,多自由度双方向触覚提示手法の系統的な理論を構築した.
著者
古田島 裕斗 嵯峨 智 高橋 伸 田中 二郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-HCI-172, no.19, pp.1-7, 2017-02-27

近年情報端末上で閲覧する電子書籍が広く普及している.電子書籍は独自の利点を持っているが,従来の紙書籍も多くの利点を持ち,特にページめくりのような自由度の高いナビゲーションは比較の場においてたびたび取りあげられる.本研究では電子書籍上で,紙書籍のような柔軟で直感的なナビゲーションを再現することで,操作性を向上させる手法を提案する.本手法ではタブレット端末と端末背面に設置した圧力センサのみを用いることで,電子書籍の利点を保ったまま,柔軟なページめくり等のナビゲーションを実現する.また本手法を取り入れた電子書籍閲覧システムを実装し,数種類の評価実験を行った.その結果,本手法は多少の改善点は挙げられるが既存の電子書籍リーダーと遜色なく,改善を行えば更なる高評価が望めると分かった.