著者
安細 敏弘 粟野 秀慈 川崎 正人 嶋崎 義浩 邵 仁浩 宮崎 秀夫 竹原 直道
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.632-636, 1992-10-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

The purpose of this study was to evaluate the oral health of Iranian workers in Japan and their general life conditions, 125 Iranian subjects aged 20-43 yr congregating in Yoyogi and Ueno Parks in Tokyo were examined. The mean decayed, missing, and filled teeth (DMFT=7.8) and filled teeth (FT=2.3) scores were lower than the Japanese national average. The mean decayed teeth (DT=3.4) and missing teeth (MT=2.2) scores were higher than the Japanese national average. Calculus was the predominant periodontal problem, and shallow pockets prevailed in persons aged 30-34 yr. 39.7% of the subjects had complaints about their oral health, but only 16.8% desired dental treatment in Japan. Most of the subjects could not undergo dental treatment because of the high cost. Analysis of the results showed poor dental health in this survey group and emphasizes the necessity of improving the (dental) health service programs for foreigners.
著者
嶋崎 義浩 齋藤 俊行 山下 喜久
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.192-197, 2006-04-30 (Released:2018-03-23)
参考文献数
16
被引用文献数
2

老人保健法による歯周疾患検診を想定し,歯周ポケット保有者をCPIを用いた部分診査法で検出する有効性を検討することを研究目的とした.対象は,九州大学病院口腔ケア・予防科受診患者のうち20歯以上歯がある者とした.全顎の歯周ポケット診査結果から4mm以上の歯周ポケットを1歯以上もつ歯周ポケット保有者をCPIコードを用いて検出した場合と,全顎診査法によって検出した場合との一致率を求めた.その結果,CPI代表歯10歯の診査で個人コード3以上を歯周ポケット保有者として検出した場合,全顎診査法との一致率は97.2%であった.老人保健法による歯周疾患検診の基準と全顎診査法との一致率は88.9%であった.検査を簡略化するために臼歯部4分画のなかで第二大臼歯だけを対象とした方法では,全顎診査法との一致率が93.1%であった.また, CPI代表歯10歯の診査でCPIコード3以上の分画数と歯周ポケット4mm以上の歯数との関係を調べたところ,コード3以上の分画数が増えるに従って歯周ポケット保有歯数が増え,CPIの結果から歯周疾患の広がりの程度を示すことができた.これらのことから,CPIを用いた歯周ポケット保有者の検出は,全顎診査法との一致率が高いことが示唆された.また,実際の検診で時間的な制約がある場合には,CPIをさらに簡略化できる可能性が示唆された.
著者
豊嶋 優子 齋藤 俊行 嶋崎 義浩 山下 喜久
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.156-160, 2006
参考文献数
12
被引用文献数
1

某プロ野球球団に所属する選手84名を対象に,歯と歯周組織の診査,および咬合圧測定用感圧フィルムを用いた咬合力や咬合の左右のバランスの測定を行った.本研究では,咬合状態と歯や歯周組織の状態との関連性について調べた.対象者の1人平均DMF歯数は,歯科疾患実態調査における同年齢層とほぼ同様であった.咬合状態とDMF歯数との関連については,D歯数やM歯数が多いほど総咬合面積や総咬合力は小さく,平均圧力は大きい傾向にあった.特にC_4 の歯数と総咬合力との間には,有意な負の相関関係が認められた(r=-0.225, p<0.05).咬合状態の左右のバランスについて調べたところ,片側のみにD歯のある着では,齲蝕側は健康側に比べ総咬合面積(p=0.01)と総咬合力(p=0.02)が有意に小さく,最大圧力(p=0.03)は有意に大きかった.このことから,齲蝕が左右側の片側のみに存在する場合,齲蝕側の咬合面積が減少する一方で,咬合圧は増加し,齲蝕側に負担加重を生じる可能性が示唆された.