著者
杉原 桂太 嶋田 創
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

情報検索のための PageRank はネットワークのリンク解析によるノードへのスコア付与アル ゴリズムとして広く普及している。PageRank には高計算コスト等の問題があり、改良策が盛 んに研究されて来た。従来の改良は当初の PageR;ankと同じくネットワークの隣接行列を用い る。しかし、PageRank の問題は同行列では根本的には解決されない懸念がある。本研究は、 エルミート隣接行列に依るスコア付与のアルゴリズムを開発し、PageRank を凌駕 し発展性を持つ手法を構築する。
著者
孫 英敬 山口 由紀子 嶋田 創 高倉 弘喜
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.1163-1174, 2017-05-15

情報セキュリティへの脅威はますます増加しており,高度な技術を備えた人材を求める声が増大している.それにともない,日本では高等教育機関における情報セキュリティ教育課程を今後拡充していく方針が示されているが,情報セキュリティ教育課程は,実際の現場から要求される技術能力を満たす,現実に即した人材を育成するものでなければならない.そこで我々は,アメリカ国立標準技術研究所の下に設置されているNICE(The National Initiative for Cybersecurity Education)が定義した情報セキュリティ技術能力を情報セキュリティ人材の要求要件ととらえて情報セキュリティ教育過程の開発を目指した研究を行っている.本研究では,NICEにおいて783項目に表されている技術能力を62種類に分類・集約した.さらに,日本および,セキュリティ教育が進んでいる韓国の大学についてカリキュラムを調査し,NICE技術能力との相関分析によりカリキュラム分析を行った.
著者
岩瀬 雄祐 山口 由紀子 川瀬 友貴 石原 正也 嶋田 創
出版者
一般社団法人 大学ICT推進協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.157-166, 2023-11-27 (Released:2023-11-27)
参考文献数
6

名古屋大学では本学構成員およびゲストユーザ向けの全学的な無線LANサービスとして名古屋大学無線ネットワーク(NUWNET)を提供している.無線アクセスポイントの更新・増設によるWi-Fi環境の改善を進めてきたが,「NUWNETが途切れる,遅い」等の問い合わせが多く,ユーザ側からの通信状態を把握するため,Raspberry Piを用いた学内向けWi-Fi環境観測システムを構築した.また,本システムは学内のプライベートネットワーク用として構築したが,学外に設置したWi-Fiセンサと学内のサーバをVPNで接続することで,学外のWi-Fi環境についても観測できることを確認した.本稿では,Raspberry Piを用いた学内向けWi-Fi環境観測システムの構築,観測データの可視化,Wi-Fi環境の調査事例に加えて,AXIES 2022におけるデモ展示と観測について報告する.
著者
小川 秀貴 山口 由紀子 嶋田 創 高倉 弘喜 秋山 満昭 八木 毅
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.2, pp.408-415, 2016-10-04 (Released:2016-11-08)

昨今のサイバー攻撃は巧妙化しており,マルウェア感染を未然に防ぐことが困難となっている.したがって早期のマルウェア感染検知技術が重要となっている.昨今のマルウェアはファイアウォールやプロキシでの検知を回避するために,C&C 通信に業務等で使われている HTTP を使用したものが多く,検知が困難である.そこで本研究では,特に HTTP トラフィックを対象としたアノマリ型の検知手法を提案する.提案手法では HTTP の各通信先ごとにリクエスト送信間隔とレスポンスのボディサイズから特徴量を抽出し,SVM を用いてマルウェア感染由来かどうかの判定を行う. Recent cyber attacks are sophisticated so that it is difficult to prevent malware infection. Therefore, early malware infection detection becomes more important. Moreover, latest malware utilizes HTTP which is widely used on business for avoiding detection by firewalls and proxies. It further makes malware infection detection harder with typical traffic analysis. In this study, we propose an anomaly detection method for malware originated HTTP traffic. In proposal, we judge HTTP traffic by SVM with utilizing newly extracted features such as HTTP request interval and response body size.