著者
嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_319-I_324, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
6

沖縄諸島・奄美群島周辺において漂流漁船,タンカー事故による流出油が漂着した事例より,漂流物が沖縄諸島・奄美群島周辺へ移動する経路を調べた.気象庁提供の漂流型海洋気象ブイロボット(以下,ブイ)の観測データを解析した.南向きの風を受けたブイは黒潮流域から時計回りに奄美群島北部へ移動し,あるいは沖縄諸島・奄美群島の西側に沿って南下する傾向を示す.このブイの軌跡は上記の事例と対応する.伊豆・小笠原海嶺周辺を始点とするブイは,奄美群島周辺へ移動する軌跡が沖縄諸島周辺へ移動する軌跡よりもばらつきが小さい傾向を示す.
著者
嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_798-I_803, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
9

大阪湾における神戸市沿岸から泉大津・泉佐野沿岸へドラム缶が漂流した事例を参考にして,風圧流を考慮したドラム缶サイズの漂流物挙動シミュレーションを実行した.12時間後の空ドラム缶のいくつかは泉大津から泉佐野沿岸周辺に漂着する.24時間後,すべての漂流物が漂着する.空ドラム缶の軌跡は出発点から概ね南東向きを示す.風圧流がない漂流物の多くは,48時間後もほとんど大阪湾沿岸に漂着しない.空ドラム缶の実験はドラム缶漂流事例と同じ沿岸周辺に漂着する傾向を示すことから,風圧流の効果により12時間程度でドラム缶が大阪湾を横断した可能性が高いことを示した.それゆえ,漂流物に大きさによってそれらを回収するための迅速な対応の必要性が示唆される.
著者
塩谷 茂明 牧野 秀成 永吉 優也 柳 馨竹 嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_838-I_843, 2011
被引用文献数
1

航海の安全のため、航海情報は非常に重要である。航行船舶の安全性は海難回避のために要求される。海難の原因の第1位は衝突、第2位は乗揚である。船舶の乗揚は沿岸域の比較的浅い海域で発生している。そのため、乗揚回避のために水深情報の有効な提供が非常に重要である。さらに、航行船舶に影響を与える気象・海象の情報提供も重要である。本研究の目的は、船舶乗揚回避のための水深、気象・海象に関する有効な航海情報をGISを用いて提供することである。航海シミュレーションによるこれらの情報提供が有効であることを示した。