著者
宮地 尚子 後藤 弘子 青山 薫 ケン クリアウォーター ガルヴァス イシャ 紀平 省悟 菊池 美名子 栗林 美知子 松村 美穂 嶺 輝子 宮下 美穂 中島 啓之 仁科 由紀 坂上 香 田辺 肇 田中 麻子 ヴァーナー チャン リル ウィルス 吉岡 礼美
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

トラウマとジェンダーの相互作用を、(1)精神病理的側面から、(2)犯罪行為や逸脱現象の側面から、(3)文化創造的な側面から探り、明らかにした。(1)では海外研究協力者との共同研究や、臨床家、脳科学やジェンダー学等の専門家らによる共同研究会議を実施、トラウマの臨床的課題について検討した。(2)では刑事司法におけるストーカーや性犯罪事件の取り扱い、女性薬物依存症者のトラウマと社会復帰、性労働従事者への暴力について分析した。(3)では参加型アートプロジェクトの実施、参与観察を行い、トラウマからの創造性について考察した。(1)~(3)を統合し、成果を著作やウェブサイト等の形にまとめ、国内外で発表した。
著者
嶺 輝子
出版者
森山書店
雑誌
会計 (ISSN:03872963)
巻号頁・発行日
vol.142, no.5, pp.p687-702, 1992-11
著者
嶺 輝子
出版者
一般社団法人 日本小児精神神経学会
雑誌
小児の精神と神経 (ISSN:05599040)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.41-51, 2019

このたび,ICD-11において複雑性PTSDが正式な診断基準として採択された.これにより,これまで正しい診断・治療を受けられなかった患者たちが適切な治療を受けられるような基盤が整ったわけだが,今後はその治療をどのように行っていくかが重要課題になるだろう.複雑性PTSDとは,傷を受けやすい幼年期の発達段階において,養育責任を担っている者の加害や放棄による重度のストレス要因に継続的あるいは長期間さらされた結果引き起こされる心的外傷であるが(Courtois et al., 2009),それは長期にわたるストレスだけでなく,単回のトラウマが,その後の不適切なケアや対応によって重症化するケースも含まれうる.小児の精神神経の専門家として,このような複雑性PTSDへの変調を防ぎ,トラウマから回復させるには何が必要なのかを論じたうえで,論者が考案したホログラフィートークという心理療法を子どものケアにどのように利用しうるのかを紹介してみたい.
著者
嶺 輝子
出版者
一般社団法人 日本小児精神神経学会
雑誌
小児の精神と神経 (ISSN:05599040)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.41-51, 2019 (Released:2019-04-04)
参考文献数
9

このたび,ICD-11において複雑性PTSDが正式な診断基準として採択された.これにより,これまで正しい診断・治療を受けられなかった患者たちが適切な治療を受けられるような基盤が整ったわけだが,今後はその治療をどのように行っていくかが重要課題になるだろう.複雑性PTSDとは,傷を受けやすい幼年期の発達段階において,養育責任を担っている者の加害や放棄による重度のストレス要因に継続的あるいは長期間さらされた結果引き起こされる心的外傷であるが(Courtois et al., 2009),それは長期にわたるストレスだけでなく,単回のトラウマが,その後の不適切なケアや対応によって重症化するケースも含まれうる.小児の精神神経の専門家として,このような複雑性PTSDへの変調を防ぎ,トラウマから回復させるには何が必要なのかを論じたうえで,論者が考案したホログラフィートークという心理療法を子どものケアにどのように利用しうるのかを紹介してみたい.