著者
Munchan Chutharat 倉田 修 畑井 喜司雄 羽柴 典子 中岡 典義 川上 秀昌
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.179-182, 2006-12-15
参考文献数
13
被引用文献数
4 13

2004年4月に養殖シマアジ幼魚に真菌病が発生し, 多数の魚が死亡した。瀕死魚は腹部膨満を呈し, 腎臓や脾臓は腫大し, 結節形成が見られた。病魚の腎臓から菌の分離を試みた結果, 純培養状に単一の集落が出現した。分離菌の集落は淡褐色で, 分生子は1端が丸い長円形で2細胞性であった。菌は<i>O. humicola</i> に同定された。本菌は通常, 海産魚の稚魚の皮膚に発生する真菌病であるが, 幼魚の内蔵に発生したのは初めての例である。
著者
森実 庸男 滝本 真一 西川 智 松山 紀彦 蝶野 一徳 植村 作治郎 藤田 慶之 山下 浩史 川上 秀昌 小泉 喜嗣 内村 祐之 市川 衞
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.207-216, 2001-12-15
被引用文献数
12 25

1996年以来発生している赤変化を伴うアコヤガイの大量へい死の実態を把握するため, 1997-1999年に母貝の生育, へい死率, 外套膜の病理組織学的変化を調査した。本疾病は冬季水温の高い南部の海域で6月に発生し, 8~11月には北部に至り, 宇和海全域に広がった。本病の発生には, 冬期の水温が影響するなど強い温度依存性が示唆された。