著者
川上 紳一 東條 文治
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.829-830, 2003-11-30
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
川上 紳一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.577-584, 1997-08-05
参考文献数
23

1995年から文部省重点領域研究として「全地球史解読」がスタートした. この「全」は「地球」にかかり地球中心核から地球をとりまく宇宙までを, 地球システムの動態もろとも解読することを意味する. 「全」は「解読」にかかり, 地層や岩石の残る過去40億年にわたる地球史を網羅することを意味する. さらに「全」は「解読」にかかり, 可能なすべての手法を結集して地層や岩石に記録されたあらゆる事柄の解読を意味する. つまり, 地球をまるごと理論することを目指した壮大な計画である. 「縞々学」の成立に始まるこうした研究の流れを概観し, さまざまな議論を通じて構築されつつある. 新しい地球史年表や歴史科学としての地球史研究の方法論を紹介し, この計画の現状と展望を述べよう.
著者
川上 紳一 小井土 由光 小嶋 智
出版者
岐阜大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究の究極の目的は,初等中等教育現場で使われる教科書に添ったデジタル学習教材を開発し,実際の授業で活用して評価し,より洗練された教材として完成させることである.今年度の主な成果は次のようである。(1)天文分野については,岐阜市立伊奈波中学校、岐阜県加茂高等学校と連携して,天体望遠鏡(スピカ)の製作を取り入れた授業実践を行った.今年は月面の継続観察をテーマにし、まとめの授業ではクレーター形成実験を行った。また、人工衛星の観察を取り入れた星座学習に関連したコンテンツ開発として,国際宇宙ステーションから見た地球の3Dシミュレーションに衛星雲画像を表示できるようにした.(2)気象分野については,平成17年度に岐阜大学構内に設置されたインターネット百葉箱を活用し,天気の移り変わりに関する教材を開発した.(3)地質分やでは,すでに開発している「デジタル偏光顕微鏡」で表示できる岩石や鉱物の種類を大幅に増やした.(4)チョウの食草を植えた花壇を整備し,さまざまなチョウの生態や幼虫の成長のようすを教材化した.とりわけ、昆虫図鑑の充実をはかり、1500種類の昆虫の生態図鑑を作成した。(5)沖縄珊瑚礁の生物の画像を収集し,無せきつい動物の生態に関するコンテンツを開発した.掲載した動物種は100種類に達した。(4)地質分野では、伊豆大島、ハワイ諸島の火山地形や地質を取材し、火山学習用web教材を作成した。歯科印象剤とココナツパウダーを用いた火山噴火モデルを作成し、岐阜市立長良中学校で授業実践を行い、地学現象の空間スケールや時間スケールを理解することができる教材の有効性を実証した。