著者
園田 亜斗夢 鳥海 不二夫 中島 寛人 郷治 雅
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

情報が電子媒体で発信されるようになり,情報の即時性や情報量の増加が進んでいる.そのため,読者が情報を選択する際の労力は増加しており,そのような負担を減らす推薦サービスの導入も進んでいる.一方で,過度な推薦により,ユーザに偏った情報のみを提供するフィルターバブルが発生しているとの指摘もある.本研究では,推薦に先立つ記事の分類により,推薦システム導入前の行動変容を分析し,閲覧回数等が行動変容に与える影響を分析した.
著者
山神 真紀子 鈴木 秀男 長谷川 就一 中島 寛則 平生 進吾 若松 伸司
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.273-283, 2008-09-01
参考文献数
31
被引用文献数
6

名古屋市における国道23号沿道において,PM_<2.5>およびoptical black carbon (OBC)の測定を2003年9月30日から10月10日まで行った。その結果,PM_<2.5>の平均濃度は76.5μg/m^3 (n=234),OBCの平均濃度は15.5μg/m^3 (n=241)であった。OBCがPM_<2.5>に占める割合は平均22.3%であった。OBC濃度と大型車交通量との間には正の相関があり,特に道路に対して風下,風速3m/s以上の条件では強い相関関係が見られた。また,同時にelemental carbon (EC)も測定し,OBCとECとの間には直線関係が見られた。これらの関係とNO_x濃度を用いてECの排出係数を推定したところ大型車に対して368mg/km・台という値が得られた。また,拡散計算を用いてECの排出係数を推定した結果は大型車に対して261mg/km・台であった。また,一般環境中における一日ごとのPM_<2.5>とECの測定を2005年1月から2006年12月まで行った。その結果,PM_<2.5>の2005年の平均濃度は23.1μg/m^3 (n=193),2006年は24.6μg/m^3 (n=182)であった。ECは2005年,2006年ともに平均濃度が3.2μg/m^3となり,ECがPM_<2.5>に占める割合は,2005年が15%,2006年は14%であった。また,EC濃度は月曜日から金曜日までの平日は濃度が高く3.5μg/m^3であるのに対し,日曜日には2.0μg/m^3となり,平日よりも約40%濃度が低下していた。求めた排出係数を用いてADMER(産総研一曝露・リスク評価大気拡散モデル)を用いて2005年の大気中濃度を,月別に推計したところ,計算値のEC濃度変動は実測直の変動と類似したものとなった。
著者
大平 圭介 中島 寛記 文 昱力 Huynh Thi Cam Tu
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面と真空 (ISSN:24335835)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.91-96, 2023-02-10 (Released:2023-02-10)
参考文献数
16

Ultrathin (∼1 nm) films have been widely used for high-efficiency crystalline silicon (c-Si) solar cells such as tunnel oxide passivated contact (TOPCon) solar cells. In this article, we present our recent results for the applications of ultrathin silicon oxide (SiOx) and silicon nitride (SiNx) films to c-Si solar cells. The following topics are reviewed. 1) Ultrathin SiNx can be utilized for passivating contacts instead of SiOx in the TOPCon structure. 2) The addition of SiOx between c-Si and thick catalytic-chemical-vapor-deposited (Cat-CVD) SiNx significantly improves the quality of surface passivation. 3) Ultrathin Al-doped SiOx films formed just by dipping in Al(NO3)3 solution on c-Si provide strong upward band bending due to negative fixed charges, which can be used for hole-selective contacts.
著者
和泉 健太 武内 耕太 寺坂 聖子 中島 寛貴 正意 敦士 小田桐 匡 松永 秀俊
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.H4P3270-H4P3270, 2010

【目的】日常生活において、我々は座る対象を選択することなくかつ安全に座るという一連の手続きを、無意識のうちに行っている。ところが、実際に臨床では能力的に低下を認める高齢者や脳血管障害患者などは、座るという動作が必然的に増加するにも関わらず、着座する際に対象物に対して尻もちをつく(転倒)傾向があるように感じる。この着座に至るまでの手続きには、様々な筋を動員することで身体制御を行っていることから、原因に下肢の筋力低下が疑われ、筋力や動作に伴う重心移動の観点からについて様々な報告がある。しかし、着座の手続きには対象物の高さや座面などの情報を視覚としてとらえる入力プロセスが含まれており、その情報と身体情報とを照合することで正確な運動が行われ、安全な着座動作に至ると推測される。このように入力情報に基づいて脳内処理を行い、動作に変換するプロセスについては十分研究がされていない。<BR>本研究では、上記の背景に基づいて、アイマークレコーダーと三次元動作解析装置を用いて、着座動作における最低限の視覚情報と頸部の動き(体性感覚)による入力情報から、対象物への安全な着座動作、特に高さを決定する機構について検討することにした。<BR><BR>【方法】21~22歳の視覚異常がなく、着座を行う対象物が十分に見える程度の視力を有した健常男子大学生3名(身長:170。2±3。19;平均値±標準偏差)を対象とした。<BR> 対象物は幅16cmのものを使用し、高さは本研究内で高さによる違いを検討するため、20cm、40cm、60cmの3種類の高さが設定できる昇降台を使用した。<BR> 被験者は、対象物に向かって、両肩関節90度外転位で閉眼している状態で、約1m先に対象物を配置した。被験者は合図とともに閉眼した状態で基本的立位をとり、対象物に対して向きなおった後、対象物に向かって左足を踏み出した際に験者によって「A(着座する)」または「B(着座しない)」の指示が与えられた。被験者は指示の入力と同時に開眼し、対象物手前で回転した後、指示に則した動作を行う試行とした。対象物の高さについては不規則に提示されるものとした。<BR> その他、被験者に対する注意としては、尻もちをつかないように着座すること、カメラの間から対象物を注視すること、できるだけ早い動作で行うことを指示した。<BR> 運動反応中の身体運動は、三次元動作解析装置(MAC 3D System、nac IMAGE TECHNOLOGY社製)を用い計測され、眼球運動については、アイマークレコーダー(EMR-8、nac IMAGE TECHNOLOGY社製)を用い、瞳孔/角膜反射法によって計測された。また、得られた視線データは同時にVTRに記録され、対象物への注視時間を計測した。高さごとに視線データを計測し、高さによる傾向を分析した。統計処理は二元配置分散分析、T検定を用いて多重比較を行った。統計学的有意水準を5%未満とした。<BR><BR>【説明と同意】被験者には、本研究の目的、方法、安全性、個人情報の保護等についての十分な説明を行い、裸眼での実験への参加について同意を得た。<BR><BR>【結果】頸部屈曲角度は、着座なし条件で対象物が低いほど小さくなる傾向を示し、着座あり条件では対象物が低いほど大きくなる傾向を示した。注視時間は、着座なし条件では高さによる影響を受けなかったが、着座あり条件では対象物が低いほど注視時間が短縮する傾向をみとめた。このうち対象物の高さが20cmと60cmの間で、着座あり条件における注視時間に有意差を認めた(p<0.05)。<BR><BR>【考察】着座なし条件においては対象物が高くなるにつれて注視する座面の位置が高くなり、それに対応して頸部屈曲角度は小さくなるが、着座条件が付随しないために運動変換の必要がなく、視覚による情報を重要としなかったため、時間に変化が認められなかったと考えられる。着座あり条件においては、方向転換後にアクションを起こさなければならず、脳内での運動変換プロセスの負担は対象物が低くなるにつれて大きくなるために着座という動作を優先することから、注視時間が有意に短かったのではないかと考える。<BR> 以上より、様々な高さの対象物に対する着座動作には、頸部の屈曲角度より視覚による入力情報が優先され、その量は脳からのアウトプットが正確に遂行できるだけの最低限量で入力されることが示唆された。また、対象物が低くなる(運動量が大きくなる)ほど、脳内処理時間が延長することも推測された。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】今後、本研究を基に脳血管障害患者や高齢者など、対象とする範囲を拡大することで、安全な動作獲得による生活レベルの向上には視覚へのアプローチが重要となることが考えられる。今後も視覚情報と身体運動との関連性に着目し研究していきたい。
著者
伊藤 壱記 桃谷 尚嗣 景山 隆弘 中村 貴久 川中島 寛幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00265, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
18

整備新幹線におけるスラブ軌道用の土構造物は,列車速度 260km/h を前提とした設計が行われているが,将来的には整備新幹線の区間においても営業速度を向上させる可能性がある.スラブ軌道は列車荷重により沈下が生じると補修するのが容易ではないため,スラブ軌道を支持する土構造物の設計においては大きな沈下を生じさせないことが重要である.そこで,本研究では累積損傷度理論により,列車速度の影響を考慮して盛土の塑性沈下量を求める手法を提案することとした.はじめに,列車速度による盛土の動的応答の違いを有限要素解析で求め,その結果を考慮した載荷条件で実物大繰返し載荷試験を実施し,累積損傷度理論で求めた塑性沈下量の推定手法の妥当性を検証した.その上で累積損傷度理論を用いて列車速度を考慮した盛土の塑性沈下量を試算した.
著者
小林 孝次 中島 寛 青木 孝文 川又 政征 樋口 龍雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.41, pp.1-6, 1996-07-16
被引用文献数
35

位相限定相関はフーリエ変換を用いた相関の計算過程において、入力画像の振幅成分を固定値で置き換えるよう修正した新しいパターンマッチング・アルゴリズムである。位相限定の自己相関はデルタ関数となり、相関に比べてきわめて急峻な識別特性を持つ。また、画像の振幅の影響を受けず、像のずれは相関のピークが出現する位置のずれに変換されるといった性質を持つ。位相限定相関は今後様々な分野で普及するものと予想されるが、特に顔画像や指紋画像など、安定した特徴量の抽出が難しい画像のマッチングに適している。
著者
伊藤 康一 森田 歩 青木 孝文 樋口 龍雄 中島 寛 小林 孝次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.147, pp.61-66, 2005-06-20
参考文献数
8

一般的な指紋照合手法は, 指紋画像から特徴点を抽出し, 画像間で一致する特徴点ペアの数に基づいて指紋照合を行う手法である.指紋照合において最も困難な問題の1つとして, 環境や個人的な要因によって指先の状態が変化し, それに伴って照合精度が大きく影響を受ける問題がある.この問題を解決するために, 本稿では, 位相限定相関法(Phase-Only Correlation: POC)を使った指紋照合アルゴリズムを提案する.POCは, 2次元離散フーリエ変換した画像より得られる位相成分を使って画像間の類似度を調べる照合法であり, 状態の悪い指紋画像に対してロバストに照合することができる.本稿では, 乾燥肌や肌荒れ, アレルギーなどが原因で指先の状態が悪い人から採取した指紋画像を使い, 特徴点を使った照合アルゴリズムと比較して提案するアルゴリズムが高性能であることを示す.
著者
中島 寛
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本研究では、界面層制御した高品質な絶縁膜/Ge構造形成技術を確立すると共に、Ge-On-Insulator (GOI)チャネル層の物性を解明することを目的としている。平成21年度は、(1) 絶縁膜/Ge構造形成、(2) GOIチャネル層の結晶性評価、の研究を実施し、以下の成果が得られた。(1) Ge-MOS構造として、Ge表面をSiO_2/GeO_2の2層膜でパッシベーションする手法を検討した。GeO_2及びSiO_2膜の役割はそれぞれGe表面のダングリングボンド終端化及びGeO_2中への不純物(水や炭化水素)混入防止にある。この2層パッシベーション膜を大気暴露無しで形成する手法を開発した。この新規な界面層形成手法を用いれば、低い界面準位密度(4×10^<11>cm^<-2>eV^<-1>)のMOS構造が実現できる。この独自技術は良質なGe-MOS界面構造形成のための手法として有用であることを実証した。(2) Ge濃度が15~90%のSiGe-On-Insulator (SGOI)およびGOIを酸化濃縮法で作成した。これらの試料にリン(P)を固相拡散してソース/ドレインを形成し、バックゲート型MOSFETを作成した。試料の電気特性から閾値電圧を求め、イオン化アクセプタ濃度(NA)を算出した。その結果、NAのGe濃度依存性は、Hall効果法で求めた正孔濃度(p)の依存性と異なることを示した。即ち、低Ge濃度領域では、NAが10^<16>cm^<-3>以上であるのに対して、pは約2桁低い。一方、高Ge濃度領域では両者はほぼ一致する。この相違は、酸化濃縮過程で生じる欠陥が深いアクセプタ(A)として働き、Ge濃度の増加に伴い、Aのエネルギー準位が価電子帯側ヘシフトする事で説明できる。このエネルギーシフトをホール効果の温度依存性から明らかにした。