著者
鷲田 和夫 加藤 有希子 川又 純 高橋 良輔
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.147-149, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
7

症例は58歳,男性.パーキンソン病発症14年目に寡動が増悪したため,非麦角系ドーパミンアゴニストであるプラミペキソールの投与を開始したところ深刻な病的賭博症状が出現した.薬剤変更により病的賭博行為は可逆的かつ速やかに消失したが,社会経済的に不可逆的な損害が生じた.病的賭博の発症理由として大脳辺縁系に位置するドーパミンD3受容体へのドーパミンアゴニストによる特異的刺激が関与していると考えられている.
著者
外山 祐一郎 川又 純 下濱 俊
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.626-630, 2018 (Released:2018-10-24)
参考文献数
9

症例1は25歳の女性看護師.日勤看護業務中,バーコードリーダーを使用直後に転倒し強直間代発作が出現した.強直間代発作は5分程度で自然頓挫したが,意識減損が30分程度持続した.症例2は30歳の女性看護師.夜勤にて看護業務中,バーコードリーダーを使用し赤色点滅光を凝視した直後に起立困難となった.同僚看護師の名前が分からない等の見当識障害が出現した.5分程度見当識障害を認めたが徐々に改善し意識清明となった.両症例はバーコードリーダーの赤色点滅光により誘発された光感受性発作と考えられる.医療機器として病棟で使用されている赤色点滅光を発光するバーコードリーダーは発作誘発の可能性があり注意を要する.