- 著者
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奥井 登美子
川瀬 清
永井 恒司
- 出版者
- 公益社団法人日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.12, pp.997-1002, 1978-12-01
薬学は幸せを求める人類の要求に応えるために生まれた学問である.したがって, 人間社会に役立たない存在となったときには生命を失なうはずのものであろう.現在の薬学が社会に役立たないものとなっているとは思わない.だからこそ, 薬科大学が栄え, 薬剤師会・薬学会が発展をとげているのであろう.しかし, 薬学の分化・高度化が進むと, とかく社会との関りの深さが忘れがちになる.18世紀から19世紀にかけてのノーベル賞級の化学の発見はいずれも町の薬局から生まれた.ある意味では, 社会と薬学は密接に結びついていた.技術革新の進んだ今日では, どのような様式によって, 薬学と社会を強く結びつけていくのがよいのだろうか.