著者
川田 明広 溝口 功一 林 秀明
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.476-480, 2008 (Released:2008-08-21)
参考文献数
10
被引用文献数
6 11

TPPVを導入したALS(TPPV・ALS)患者のtotally locked-in state(TLS)について全国調査をおこなった.調査時点709名のTPPV・ALS患者中89名(13%)がTLSであった.臨床経過が確認されたTLS患者41名は,ALSの神経病院分類で,29名(70%)が6カ月間内に四肢,橋・延髄(球),呼吸および外眼運動系の4つの随意運動系のうち2つ以上が麻痺した複数同時麻痺型で,28名(70%)はTPPV開始後5年以内にTLSになった.また最後に麻痺した随意運動系は,37名(90%)が外眼運動系であった.神経病院TLS例の臨床経過の特徴は、全国調査の結果に合致していた。
著者
宮腰 夏輝 板東 充秋 清水 俊夫 川田 明広 松原 四郎 中野 今治
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000618, (Released:2015-05-22)
参考文献数
14

症例は21歳の女性.先行感染後,発熱,頭痛,痙攣発作を生じ入院.前向性健忘,逆向性健忘が残存したが,それ以外は生活に不自由のない状況であり痙攣再発もなかった.髄液で軽度の細胞数増加あり.脳波では左側頭部起源がうたがわれる鋭波をみとめた.入院5日目に初対面の医師や看護師,入院中の患者に対し会ったはずがないのに以前にみたことがあるように思うと訴え,この症状は約20日間持続した.既知の相貌に関する異常はなく,相貌失認もなかった.心理検査では言語性の記憶障害がうたがわれ,退院時も逆向性健忘は残存した.類例の検討では言語性記憶障害例もあるが記憶障害のない例もある.左側頭葉病変とhyperfamiliarityには関連が示唆される.
著者
中山 優季 小倉 朗子 松田 千春 筧 慎治 川田 明広 本間 武蔵 R.N Pamlea.A.Cazzolii
出版者
財団法人東京都医学研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

筋萎縮性側索硬化症長期人工呼吸療養者における対応困難な身体症状の内容と発生機序および対応策を検討した。症状は、全身各部位に及び、随意運動障害の二次的障害、情動・自律運動系の障害、人工呼吸器装着・臥床の合併症、その他の合併症に大別された。精査が困難であること、意思伝達障害により自覚症状や程度の把握が困難なことから対応は困難を極めた。そこで、意思伝達維持のため、生体信号や微細な筋活動を検出する方法を模索し、病理的にも機能保持されるという肛門括約筋を用いる方法を着想した。