著者
杉山 直 野尻 伸一 市來 淨與 辻川 信二 西澤 淳 松原 隆彦
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

Planckを中心とする最新の天文観測データを用いてダークエネルギーモデルに対する制限を得た。理論的に動機づけされた様々なダークエネルギーモデルの提案を行うと共に、現在の観測を満足する理論のパラメータ領域を求めた。ダークエネルギーとダークマターが相互作用を持つモデルにおける宇宙論的摂動論を構築し、そのようなモデルは宇宙の構造形成を遅くすることを見出した。宇宙大規模構造に形どられたボイドの数密度やサイズに対するダークエネルギーの密度揺らぎの影響を定量的に明らかにし、Alcock-Pachinskyテストによりダダークエネルギーの密度と状態方程式への制限が偏り無く行えることを示した。
著者
高橋 慶太郎 市來 淨與 杉山 直
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.666-670, 2006-09-05 (Released:2022-05-31)
参考文献数
8

宇宙の様々な系に存在する磁場がいつ・どのようにして生成されたのかは宇宙論の大きな謎の一つである.我々はこれまで小さいために無視された効果を考慮することによって宇宙初期の密度ゆらぎが磁場を生成することを示した.ゆらぎの時間発展を数値計算で追うことによって磁場スペクトルを精密に評価した結果,宇宙のあらゆるスケールで磁場は生成されることを示した.これこそが,銀河に普遍的に存在する磁場の起源であるかもしれない.