著者
中江 政行 細見 格 市山 俊治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.11, pp.79-86, 1999-01-30
被引用文献数
8

本稿では,ユーザの利用時要求に合わせた様々なサービスの提供を可能とするための,カプセル化コンテンツの利用制御技術(チケット方式)について述べる.本方式では,一般的な超流通モデルと同様にコンテンツの構成要素データを暗号化しているが,その復号鍵から各種サービスに依存したデータ(チケット鍵)を生成し,各チケット鍵の配布条件や課金条件を個別に設定することで,各サービスの利用を限定的に許可し課金を行うことができる.このように安全で柔軟な利用制御により,カプセル化コンテンツの流通を促進することができる.This paper describes a billing and utilizing control system of a capsulated content in order to provide various services adaptable for its users' request. each element of a content is as well encrypted as so-called super-distribution systems. However, in this system, "Ticket-Keys" are generated from their each decryption key. Since each Ticket-Key depends on services provided by a capsule and its conditions in trading can be independently specified, if its users by a "Ticket" for a particular service, then it can permit providing the service exclusively. With such a flexibility and security, its distribution is much promoted.
著者
有吉 勇介 市山 俊治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.25-26, 1996-09-04

近年の情報の氾濫はひどく、最近のWWW等の流行はさらにそれに拍車をかけている。情報フィルタリング技術とはこのような情報の洪水の中から利用者の興味や嗜好に合う情報を見つけ出すための技術である。従来からキーワードや単語出現頻度等を使ったり全文検索を行うContent Based Filtering(以下CBF方式が研究されてきた。しかし、CBFは単語の出現情報に特徴があらわれる技術文書等に向いており、それ以外の情報に対してはフィルタリングの精度が下がるという欠点があった。しかし最近、このような欠点の無いCollaborativeもしくはSocial Informtaion Filtering(以下SIF)と呼ばれる手法が研究されている。例えば[1]ではNetNewsを対象にしたSIFシステムGroup Lensについて、[2]では音楽アルバムを対象としたSIFシステムRingoについて報告している。SIFは興味や嗜好の似た別の利用者が良いと評価した情報を推薦する方式である。SIFでは利用者はシステムから情報の推薦を受けると、その情報の趣味・嗜好に合う・合わないを評価しシステムに返す。一方システムが利用者に情報の推薦をする時は、そのフィードバック評価パターンの似た別の利用者を探し似た利用者が良い評価をしている情報を推薦する。このようにSIFは利用者の情報に対する評価だけを利用するため、次のような特徴がある。
著者
山口 智治 市山 俊治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.211-212, 1993-03-01

本報告では、自然言語インタフェースにおいて、入力された自然言語文からアプリケーションで実行するタスクを表す意味表現の生成過程、特に構造の決定手法について述べる。意味表現をタスクを表すための言語であるとみなすと、意味表現生成とは言語生成であると言える。従来より、言語生成では構文構造木をトラバースする構造主導処理がよく用いられるが、この手法では自然言語表現の多様な構造に追従させることが困難であるという問題があった。しかし、自然言語インタフェースにおいては、アプリケーションの機能によって概念の担う役割は限定され、多様な表現を入力とする場合にもこれらに対応して生成すべき構造は制限される。そこで、概念主導による構造生成を考える。まず自然言語文中の概念をアプリケーションで受理可能な記号に変換し、記号の担う機能から記号間に可能な構造を絞り込んで決定する。この手法を関係データベースを対象アプリケーションとして研究試作中の自然言語インタフェース[市山91,谷91]に実装し、動作を確認した。