著者
陳 青雲 山口 智治 畔柳 武司
出版者
The Society of Agricultural Structures, Japan
雑誌
農業施設 (ISSN:03888517)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.113-118, 2000-09-25 (Released:2011-09-05)
参考文献数
5
被引用文献数
2

中国の在来型省エネルギー温室である日光温室は, 益々発展しつつある中国施設園芸における中核的施設になっている。日光温室は, 透光面は南面のみで, 北・東・西壁は特殊な蓄熱・保温構造を持ち, 最低気温が-20℃の中国北方地域の冬季においても, 無加温で野菜が栽培可能な園芸施設である。本稿では, 主として日光温室の構造, 環境特性, 発展状況及び今後の研究方向について述べた。
著者
山口 智治 星 典宏
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

大型温室などの生物生産施設での高効率生産のため,気流,温・湿度,ガス濃度など,いわゆる室内空気分布の的確な予測とそれに基づく高度な環境制御システムの開発が要望されている。他方,計算機数値解析技術の一つであるCFD (Computational Fluid Dynamics)による室内空気流れ環境の解析法が生物生産施設分野での環境予測にも導入されて来ている。本研究は,生物生産施設内の空気分布に関して,CFDシミュレーションと現場実測から検討を行い,生物生産施設の新たな環境設計法の確立を目的としたものである。得られた主な成果は以下の通りである。1.CFD法をパッドアンドファン冷房温室に導入し,温室内の3次元気流速分布および温度分布についての検討を行った。CFDによる温室内気流および温度解析結果を実測データによって検証した結果,両者はよく一致した。さらに非栽培条件下のパッド冷房温室内の3次元気流速分布および温度分布を予測し,室内気流の主流域と還流域の存在を定量的に明らかにし,また気流分布に密接に関係する温度分布に関して水平および垂直方向の不均一性を示した。さらに,還流の影響でパッドからの低温空気が一部屋根空間に入り込み,冷房効果が低減されることを示した。2.CFDシミュレーション検証データを得るため,中国北京市と上海市および愛知県所在の実際のパッドアンドファン冷房温室における環境計測実験結果について詳細な解析を加え,夏季,高温多湿地地域にいても本冷房方式が有効であること,しかしながら室内に比較的大きい水平・垂直方向温度分布が形成されることを示した。3.パッドアンドファン冷房システムを備える野菜栽培温室を対象として,CFD法を援用し,草丈の高い作物(トマト)の栽培を想定した条件下における室内の気流および温度分布に関する数値計算を試みた。栽培畝方向と気流方向を平行させ,また植栽層にある程度の流路率があれば,換気時間の経過に従って,植栽層内部にも冷却効果が得られる可能性を示した。
著者
林田 尚子 八槇 博史 喜田 弘司 山口 智治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.575-582, 2003-08-01

本研究で想定する街中における情報共有環境では,情報そのものが断片的でかつ有効期限も短いため,その瞬間に欲しい情報が見つけにくい.生成した情報をグローバルネットワークからアクセス可能としておきさえすれば,いつかだれかが見てくれるという環境とは異なり,より積極的に情報を配信し,また発信を促すような,情報の流通を促進する枠組みを考える必要がある.この枠組みを実現するために,情報流通を支援するエージェントを考える.本研究では特に,情報提供の促進に視点をとらえた.情報保持者の不安が情報提供にマイナスの影響を与えるものと考え,これらの影響をリスク要因と呼び,街中からの情報提供行動に対するリスク要因の影響をフィールド実験を行い検証した.本実験により,金銭的報酬の導入や入力コストの削減などの手法とは別に,リスク要因を減じるサポートを与えることで情報提供行動を促進できることが明らかとなった.また,単独では有効なサポートであっても組み合わせたときには,むしろ,単独のサポートよりも情報提供を促進する効果が低い現象も見られた.本論文では,実験における被験者の行動・アンケート結果をもとに,情報提供促進のためのエージェントの機能を考察する.
著者
山口 智治 市山 俊治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.211-212, 1993-03-01

本報告では、自然言語インタフェースにおいて、入力された自然言語文からアプリケーションで実行するタスクを表す意味表現の生成過程、特に構造の決定手法について述べる。意味表現をタスクを表すための言語であるとみなすと、意味表現生成とは言語生成であると言える。従来より、言語生成では構文構造木をトラバースする構造主導処理がよく用いられるが、この手法では自然言語表現の多様な構造に追従させることが困難であるという問題があった。しかし、自然言語インタフェースにおいては、アプリケーションの機能によって概念の担う役割は限定され、多様な表現を入力とする場合にもこれらに対応して生成すべき構造は制限される。そこで、概念主導による構造生成を考える。まず自然言語文中の概念をアプリケーションで受理可能な記号に変換し、記号の担う機能から記号間に可能な構造を絞り込んで決定する。この手法を関係データベースを対象アプリケーションとして研究試作中の自然言語インタフェース[市山91,谷91]に実装し、動作を確認した。