著者
坂田 隆 市川 宏文
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.1205-1212, 1997-10-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
58
被引用文献数
3 4 18

大腸内細菌は酢酸, プロピオン酸, 酪酸のような短鎖脂肪酸をつくる。大腸内での短鎖脂肪酸生産の主要な制御要因は基質の種類と流入速度, 大腸内での内容物の滞留速度である。短鎖脂肪酸は大腸上皮細胞の主要エネルギー源であるとともに, 全身のエネルギー収支に貢献する。また, 短鎖脂肪酸は大腸での水や溶質の吸収, 大腸粘膜の血流, 腸上皮増殖, 腸運動, 膵臓外分泌などの機能に影響する。
著者
石橋 悟 小林 道生 小林 正和 佐々木 功 高橋 邦治 高橋 洋子 市川 宏文 古田 昭彦 石井 正 久志本 成樹
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.737-742, 2014-12-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
2

東日本大震災後,緊急被ばく医療の体制強化が重要な課題となった。原子力発電所所在地域を支える災害拠点病院である当院の緊急被ばく医療に対する取り組みを報告する。2002年4月に「緊急被ばく医療マニュアル」を作成し,同時に緊急被ばく医療チームを結成した。院内研修会,緊急被ばく傷病者受け入れ訓練を継続的に実施し,実際の管理区域内労働災害傷病者もほぼ毎年受入れた。原子力安全研究協会主催の緊急被ばく医療研修は2012年度までにのべ280名の職員が受講した。2002年度から,地域を越える広域対応のために宮城地区被ばく医療ネットワーク会議に参加するとともに,2008年度には,当院独自のネットワークを基本として石巻地区被ばく医療ネットワーク会議を立ち上げ,地域の緊急被ばく医療体制を構築した。実効性のある緊急被ばく医療を提供するには,職員の放射線に対する知識習得に加えて,緊急被ばく医療を災害医療の重要な一領域と捉え,最悪の事態は必ず起こるという現実的危機をもった広域の体制作りが肝要と思われる。