著者
常田 益代
出版者
島根県並河萬里写真財団
雑誌
文化遺産
巻号頁・発行日
vol.19, pp.48-52, 2005-04-20
著者
堀田 真紀子 玄 武岩 西村 龍一 田邉 鉄 宇佐見 森吉 川嵜 義和 坂巻 正美 富田 俊明 常田 益代 竹中 のぞみ 原田 真見 浜井 祐三子 石橋 道大
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、文化の持つエンパワメント機能に注目し、地元北海道を中心に、小規模農業従事者、障害者、少数民族といった社会的、経済的弱者を主体にしたり、対象にした文化発信を研究。全員がイニシアティブを担える脱中心的な構造を持つものほど、当該者のエンパワメントにつながること、また地域の立場と、海外の類似事例の担い手との交流や、実践者と研究家の交流が、とくに効果的に働くことを明らかにすることができた。
著者
常田 益代
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

ベネディクト会クリュニー大修道院とその娘修道院ムティエ・サン・ジャンはともにフランス革命の後破壊され、現存しない。わずかに残る扉口彫刻断片と柱頭はフランスと米国の諸美術館に分蔵されている。本研究の目的は次ぎの2点にある。1)第3次クリュニー西正面扉口彫刻とムティエの柱頭の彫刻様式を明らかにする。2)クリュニーとムティエの工房の関係を様式・考古学的観察にもとづき考察する。こうした研究目的を遂行するために、クリュニーについては、コナントによって発掘された彫刻断片(Pit II, Pit X)をオシエ美術館と附属保管所で調査した。またムティエについてはフォッグ美術館、ルーブル美術館、ディジョン考古学博物館、ブッシー・ル・グランなどで調査した。その結果、次の点が明らかになった。1.ムティエの彫刻様式は、説話柱頭においても葉飾り柱頭においても、第三次クリュニーの西正面扉口付近から出土した彫刻断片ともっとも近い様式を示す。2.ムティエの柱頭には複数の彫刻師の「手」が認められ、いづれの彫刻師もクリュニー西扉口の彫刻に関わっていた。両方の作業現場に関わった彫刻師が複数いることは、同じ工房の作であることを示唆している。3.ムティエの柱頭はその形状や彫刻技法、さらに史料からして、1130年前後と推察される。ムティエの制作年代の確立は第三次クリュニー西扉口彫刻の年代を示唆し、従来考えられていた1115年前後とする説の再考を要する。