- 著者
-
夏野 豊樹
平柳 要
- 出版者
- 一般社団法人 日本人間工学会
- 雑誌
- 人間工学 (ISSN:05494974)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.4, pp.236-241, 2009-08-15 (Released:2010-11-19)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
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5
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生姜抽出物の経口摂取による人でのエネルギー消費等を,冷え性気味の健常若年女性19人を対象としたランダム化交差比較試験により検討した.被験者は室温23~24℃,湿度30~40%の環境下において,(1)プラシーボ(澱粉),(2)生の生姜10 g相当,(3)生の生姜20 g相当をそれぞれ別の日にカプセルで摂取した.サンドイッチと適量の水をとった後,カプセルを飲み,1時間,2時間,3時間経過時に,エネルギー消費量,手と足の指先の体表温,脈拍数および収縮期・拡張期血圧の測定を行った.その結果,食事による影響を取り除いた生の生姜10 g相当摂取時は安静時に対する増加率で,1時間後7.4%,2時間後8.2%,3時間後6.6%で,1時間後を除いて有意な増加であった.また,生の生姜20 g相当摂取時のエネルギー消費量は1時間後10.5%,2時間後11.6%,3時間後8.6%と有意に増加した.結論として,人での研究において,生姜非摂取時に比べ,生姜摂取によってエネルギー消費量が有意に高まることが初めて明らかになった.