著者
上田 周二 弓指 孝博 吉田 謙 前田 哲生 烏野 隆博 手島 博文 平岡 諦 中村 博行 正岡 徹
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.464-467, 1997-05-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

Tsutsugamushi disease is widely spread throughout Japan. A case of tsutsugamushi disease was seen in October, 1996. A 64-year-old male developed typical symptons of tsutsugamushi disease with Rickettsia tsutsugamushi, after he returned to Japan from Cheju Island, Korea. Not only in Japan but also in other Asian countries including Korea, China, Taiwan, and Thailand, tsutsugamushi disease is one of the most important rickettsial diseases carried by ticks or mites.If a traveller returning from an Asian country has symptons such as high fever, skin eruption, and lymphadenitis, we should susupect that he is suffering from tsutsugamushi disease and should search if he has an eschar on any area of his body. We should not forget that tsutsugamushi disease is an imported disease. Patients of tsutsugamushi disease often have hematological disorders. They are sometimes referred to the hematological section of the hospital. Hematologists should be familiar with this disease.
著者
西澤 徹 谷浦 武仁 山田 瑞穂 青山 幾子 弓指 孝博
出版者
医学書院
雑誌
総合診療 (ISSN:21888051)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.173-176, 2018-02-15

病歴患者:56歳、男性。主訴:鼻汁、咽頭違和感。病歴:来院前日の昼食(自炊のお好み焼き)摂取後から、急に水様鼻汁と咽頭違和感をきたした。来院当日朝、鼻汁と咽頭違和感は軽快していたが、「風邪薬」を希望して内科外来を受診した。病人・動物との接触歴や最近の旅行歴はなく、寒気、発熱、頭痛、眼・耳症状、嚥下痛・嚥下困難、嗄声、喘鳴、咳嗽、呼吸困難、腹痛、下痢、皮疹、瘙痒感、立ちくらみは自覚しなかった。既往歴:特記事項なし。薬剤歴:なし。サプリメント・漢方なし。アレルギー歴:小児期に喘息。家族歴:特記事項なし。生活歴:独居(単身赴任)、数年来性交歴(-)。喫煙:never smoker。飲酒:焼酎水割り3杯/日。職業:サラリーマン(営業職)。
著者
中村 央 吉田 政弘 木村 明生 弓指 孝博 木村 朝昭 上羽 昇 國田 信治
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.275-286, 1999
被引用文献数
1 1

1968∿1997年に畜舎, 主として豚舎で蚊を採集し, コガタアカイエカの発生状況を調べると共に蚊から日脳ウイルスの分離を試みた。その成績に基づき, 環境条件と蚊の発生量及び蚊の日脳ウイルス感染状況との関連性を検討した。その結果, 以下のことが明らかになった。1)水田地帯に2ケ所以上の豚舎がある程度離れて位置しており, 多数の豚が飼育されているような環境条件下では, 毎年, コガタアカイエカの発生量が多く, しばしば, 早い時期に日脳ウイルスの検出が始まり, 感染率も高い傾向が認められた。2)周囲に広く水田が残っていても, 豚舎が1ケ所のみの場合は, 蚊の発生量は1)より少なく, 日脳ウイルスの感染環は必ずしも毎年成立せず, 感染率も低い傾向が認められた。3) 1), 2)と近年における水田面積や家畜飼育農家戸数の激減とを考え併せると, 近年の日脳低流行の一因として, 環境条件の変化, 特に, 1)のような地域の消失, をも考慮すべきであると考えられた。また, なぜ, 1)と2)のような違いが生じるかについて論議した。