著者
後藤 昌彦
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第II部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.149-157, 2011-03

The one of the principles of the Public Assistance Act is the supplementary nature of welfare (Public Assistance Act, Article 4). "Duty of kinship support," in terms of the receipt of public assistance, was established (National Assistance Act Article 4 Clause 2) on the assumption that "any support given by a person responsible for support prescribed by the Civil Code (Act No. 89 of 1896) and any assistance prescribed by any other Act shall be provided in precedence to public assistance under this Act". Today's applicants for welfare face greatly changed conditions in terms of duty of kinship support, and family social and economic environment to when the Public Assistance Act was enacted in 1950. Nevertheless, administrative guidance for the enforcement of the duty of kinship support for the receipt of welfare dates from that time. However, 60 years have now passed since the enactment of the Public Assistance Act and, due to the conditions imposed by the duty of kinship support for the receipt of welfare, the welfare administrators faces various problems and various difficulties arise in their response to welfare applicants. In this study I discuss the deficiency in the supplementary nature of welfare in duty of kinship support from three standpoints: 1) changes in family structure, 2) changes in the public attitude to kinship support and 3) the obsolete nature of the welfare office's handling of the duty of kinship support. As a result, in order to adapt to today's family situation and public awareness, I emphasize the necessity of changing of the notion "duty of kinship support" to that of" duty of life preservation" when dealing with the receipt of welfare.
著者
孔 祥忠 松木 なみ子 宇野 牧子 渡辺 徹也 安田 忠司 高間 敬子 後藤 昌彦 寺尾 学 籾山 正敬 小島 寛 北後 光信 渋谷 俊昭 白木 雅文 岩山 幸雄
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.118-123, 2005-02-20
参考文献数
17
被引用文献数
3

手用歯ブラシ,音波歯ブラシ,超音波歯ブラシを用いて,ブラッシング時間がプラーク除去効果ならびに歯周組織に与える影響を,10名の被験者を用いて検討した.被験者には3日間ブラッシングを停止させることによって,プラークを蓄積させ,軽度の歯肉炎症を惹起させた.その後各種歯ブラシによるプラーク除去効果を検討した.1分間と2分間の異なったブラッシング時間では,全ての歯ブラシともプラーク除去効果はほぼ同様であった.さらに,4分間のブラッシングを1日3回食後14日間行わせた結果では,歯周組織の改善は全ての歯ブラシに認められ,特に音波歯ブラシが他の歯ブラシよりも効果的であることが示唆された.
著者
後藤 昌彦 安田 忠司 渋谷 俊昭
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 = The Journal of Gifu Dental Society (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.128-136, 2014-11-20

歯周病はプラークなどの細菌因子だけではなく、宿主因子、環境因子などが関与し歯周病の発症や進行を促進していると言われている。喫煙は環境因子の代表的なリスクファクターである。タバコに含まれる三大有害物質のニコチンは歯周治療後やインプラント治療後の創傷治癒に影響を及ぼすだけでなく、破骨細胞を活性化させ、歯周組織の破壊を促進させる報告がある。ラットにニコチン含有蒸留水を長期間経口投与することによりニコチンが歯槽骨に及ぼす影響を組織学的およびマイクロCTを用いた画像解析により観察した。その結果、マイクロCT撮影の画像解析では頬側、口蓋側どちらも実験群(ニコチン摂取群)で有意に歯槽骨の吸収の増加を認めた。根分岐部の骨密度においてはコントロール群(蒸留水摂取群)と実験群を比較した結果、有意差は認められなかった。TRAP染色像の頬側においてはコントロール群と比較し、実験群においてTRAP陽性多核細胞が有意に認められた。このことから、ニコチン摂取は破骨細胞数を増加させ歯槽骨吸収を促進させることが示された。
著者
渋谷 俊昭 金山 圭一 上野 健一郎 木村 洋子 後藤 昌彦 籾山 正敬 北後 光信 白木 雅文
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.91-95, 2010-10-20

歯周組織に及ぼす喫煙の影響を検討する目的で,歯肉線維芽細胞へのニコチンの影響について検討した.歯肉線維芽細胞は通常の培地で24時間培養され,次に1μg/ml,0.1μg/ml,0.01μg/ml のニコチン含有培地で培養した.細胞増殖能を測定するために培養終了24時間前に3H-Thymidine を添加した.培養終了後に放射能計測を行い,細胞分裂能を観察した.さらに同様の培養後に細胞形態を観察した.また細胞骨格の観察の目的でFITC Phalloidin で染色し,ストレスファイバーの観察をおこなった.ニコチン添加1μg/ml 群では有意に細胞増殖能が低下した.また1μg/ml 群では細胞形態は紡錘型を呈していた.さらに細胞骨格のストレス線維は収縮し,粗になっていた.これらの結果から,歯肉線維芽細胞の増殖にニコチン摂取が抑制的に関与することが示唆された.