著者
孔 祥忠 松木 なみ子 宇野 牧子 渡辺 徹也 安田 忠司 高間 敬子 後藤 昌彦 寺尾 学 籾山 正敬 小島 寛 北後 光信 渋谷 俊昭 白木 雅文 岩山 幸雄
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.118-123, 2005-02-20
参考文献数
17
被引用文献数
3

手用歯ブラシ,音波歯ブラシ,超音波歯ブラシを用いて,ブラッシング時間がプラーク除去効果ならびに歯周組織に与える影響を,10名の被験者を用いて検討した.被験者には3日間ブラッシングを停止させることによって,プラークを蓄積させ,軽度の歯肉炎症を惹起させた.その後各種歯ブラシによるプラーク除去効果を検討した.1分間と2分間の異なったブラッシング時間では,全ての歯ブラシともプラーク除去効果はほぼ同様であった.さらに,4分間のブラッシングを1日3回食後14日間行わせた結果では,歯周組織の改善は全ての歯ブラシに認められ,特に音波歯ブラシが他の歯ブラシよりも効果的であることが示唆された.
著者
福井 敏樹 安部 陽一 安田 忠司 吉鷹 寿美江
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.70-76, 2008-06-30 (Released:2012-08-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2

目的:血圧脈波検査装置による上腕足首間脈波伝播速度(brachial-anklepulse wave velocity:baPWV)は非侵襲的な動脈硬化検査として定着してきているが,測定の問題点のひとつである血圧の影響を少なくした装置が最近開発され,その有用性を示す結果が増えてきている.今回は2つの脈波伝播速度測定装置の測定結果を比較することを目的とした.方法:対象は当院の人間ドックを受診し,オムロンコーリン社製のform ABI/PWVとフクダ電子社製のVaSeraの両者で測定した471名で,各々の測定値baPWVと心臓足首血管指数(cardio-anklevascular index:CAVI)について比較検討した.結果:血圧の影響はCAVIではbaPWVより減弱したものであったが,統計的には有意であった.動脈硬化の危険因子重積における測定値の増加はbaPWVの方が強い相関を示した.ただし動脈硬化の危険因子である肥満や喫煙の影響については両者ともその相関を示すことはできなかった.メタボリックシンドロームの該当者と非該当者での測定値の比較ではbaPWVは該当者で有意に高値を示したが,CAVIでは有意な差を認めなかった.結論:これらの結果より,baPWVもCAVIも共に血管の動脈壁硬化度を反映すると考えられるが,やはりCAVIにもbaPWVで認められた問題点は存在し,それらを把握した上で使用することが重要である.また,baPWVやCAVI値を動脈硬化の危険因子との関連から考えることの意義についてはさらに検証を必要とすると思われる.
著者
種田 靖久 森 博美 吉村 知哲 山口 均 高須 昭彦 安田 忠司
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.625-631, 2013-10-31 (Released:2013-11-25)
参考文献数
18
被引用文献数
2

デクスメデトミジン(以下DEX)は,呼吸抑制作用が軽微な鎮静薬であるが,循環器系への作用に徐脈の危険性や血圧低下などの問題がある。今回DEXの使用適正化に向けてICU専任薬剤師として鎮静プロトコルを作成し介入を行った。鎮静プロトコル導入前と比較し,導入後ではBolus投与率が減少する傾向を示し(13.2% vs. 3.5%,p=0.0569),副作用発現率が有意に減少した(42.1% vs. 23.3%,p=0.0472)。DEX平均投与量,併用鎮静薬剤の投与量,挿管日数については導入前後で差は認められなかった。また,Bolus投与群では,非Bolus投与群と比較し副作用発現までの時間が有意に早くなり(1.8hr vs. 3.6hr,p=0.0085),Bolus投与と副作用発現の関連性が示唆された。ICU専任薬剤師として,薬剤の適正使用に積極的に関わることにより副作用軽減につながると考えられる。
著者
松岡 知子 宇佐美 英績 吉村 知哲 高田 裕子 安田 忠司
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.487-493, 2011 (Released:2012-08-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2 3

Liposomal-Amphotericin B (L-AMB) may cause hypokalemia. This study was carried out to examine the occurrence of hypokalemia and its primary causes in 74 patients who were administered L-AMB. They were divided into 2 groups regarding the severity of hypokalemia that occurred: Grade 0-2 group: 35 patients (47.3%), and Grade 3-4 group: 39 patients (52.7%). The results of a comparison of the Grade 0-2 group and Grade 3-4 group showed that causes for the Grade 3-4 group were significantly different from those in the Grade 0-2 group, which were a serum albumin level of more than 2.82 mg/dL at the start of the L-AMB administration (p=0.004, OR: 8.711, 95%CI: 2.273-45.823), and a history of hypokalemia before L-AMB administration (p=0.009, OR: 7.859, 95%CI: 1.844-44.109) in the Grade 3-4 group.While combination with trimethoprim-sulfamethoxazole resulted in significant avoidance of Grade 3-4 hypokalemia (p=0.019, OR: 0.233, 95%CI: 0.063-0.750), administration of potassium for preventive or maintenance purposes did not affect the occurrence of hypokalemia (p=0.137, p=0.198). However, for 20 patients with an abnormal serum potassium level (Grade 1 and more) at the start of L-AMB administration, our findings suggested that the preventive/maintenance administration of potassium was indeed effective (p=0.011).It has been proven that L-AMB causes hypokalemia frequently and the primary causes have been clarified. In this regard, it is important to regularly monitor serum potassium levels and adjust them depending on the situation of patients with hypokalemia.
著者
後藤 昌彦 安田 忠司 渋谷 俊昭
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 = The Journal of Gifu Dental Society (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.128-136, 2014-11-20

歯周病はプラークなどの細菌因子だけではなく、宿主因子、環境因子などが関与し歯周病の発症や進行を促進していると言われている。喫煙は環境因子の代表的なリスクファクターである。タバコに含まれる三大有害物質のニコチンは歯周治療後やインプラント治療後の創傷治癒に影響を及ぼすだけでなく、破骨細胞を活性化させ、歯周組織の破壊を促進させる報告がある。ラットにニコチン含有蒸留水を長期間経口投与することによりニコチンが歯槽骨に及ぼす影響を組織学的およびマイクロCTを用いた画像解析により観察した。その結果、マイクロCT撮影の画像解析では頬側、口蓋側どちらも実験群(ニコチン摂取群)で有意に歯槽骨の吸収の増加を認めた。根分岐部の骨密度においてはコントロール群(蒸留水摂取群)と実験群を比較した結果、有意差は認められなかった。TRAP染色像の頬側においてはコントロール群と比較し、実験群においてTRAP陽性多核細胞が有意に認められた。このことから、ニコチン摂取は破骨細胞数を増加させ歯槽骨吸収を促進させることが示された。