- 著者
-
後藤 直宏
- 出版者
- Japan Oil Chemists' Society
- 雑誌
- 日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.10, pp.1299-1307, 1997-10-20 (Released:2009-10-16)
- 参考文献数
- 28
- 被引用文献数
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油脂代替物は, 炭水化物ベースの油脂類似物, タンパク質ベースの油脂類似物, 構造脂質, 合成油脂類似物よりなる。炭水化物ベース及びタンパク質ベースの油脂類似物は, 低温もしくは室温で製造されている多くの製品に現在使用されている。これらの油脂類似物は, 通常油脂の9kcal/gと比較してわずか4kcal/gしかカロリーを有さないため, 通常油脂を含む製品と比較して, これら油脂類似物を使用した製品はカロリーを低下させることが可能となる。しかしながらこれら油脂類似物は揚げ物やチョコレートには使用されない。一方, 構造脂質と合成油脂類似物は, チョコレート, 焼き物, スナック菓子に使用されている。合成油脂類似物は, 脂質の構造を持たず, 小腸内で消化されにくい。そのためこれら類似物はカロリー0, もしくはほぼ0となる。構造脂質を使用した製品は, 日本市場で既に出回っているが, 合成油脂類似物の使用はまだ日本では許可されていない。