著者
後藤 航
出版者
大阪市立大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年,乳癌治療において腫瘍微小環境(TME)の評価が重要な役割を担っていると考えられるようになった.TMEには上皮間葉転換や腫瘍免疫応答など,癌細胞の悪性形質獲得に関わる変化が含まれており,TME制御が治療戦略の鍵と考えられる.非タキサン系の微小管阻害剤であるエリブリンは,TME調整作用などユニークな薬剤特性を有することが前臨床研究により明らかになっている.申請者はエリブリン耐性乳癌細胞株の樹立に成功し,耐性機序の観点よりエリブリンのTME調整作用について探究をすすめている.本研究ではエリブリンにおける腫瘍微小環境制御による新たな乳癌治療戦略を検証していく.
著者
青木 然 川村 純平 後藤 航大 島 奈穂 吉田 拓功 林 美都子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第19回大会
巻号頁・発行日
pp.41, 2022 (Released:2022-04-20)

本研究では公園でのごみのポイ捨て行動について、Dark Triad(マキャベリアニズム、自己愛傾向、サイコパシー傾向の3特性を総称した概念)と呼ばれるパーソナリティ特性からの説明を試みた。大学生130名程度を対象に、実験参加者には9枚の公園の写真を提示し、その写真に対して、“どれだけポイ捨てを行いやすいか”を5件法で回答を求めた。また、Dark Triad尺度であるSD3-J(下司・小塩, 2017)を用いて、上位群と下位群に分け、Dark Triad得点の上位群と下位群における‘‘どれだけポイ捨てを行いやすいか”得点にt検定を行ったところ、サイコパシー傾向とDark Triad全体では、各上位群が各下位群よりも比較的ポイ捨てを行いやすいことが明らかとなった(t(45)=2.37 , p<.05 ; t(40)=1.92 , p<.10 )。Dark Triadの高い者は自分本位であるが故に周囲を気にせずポイ捨て行動をしやすいことが考察された。今後は紙媒体での質問だけではなく、実際のポイ捨て行動からも検討していく必要性があるだろう。
著者
後藤 航大 青木 然 川村 純平 島 奈穂 吉田 拓功 林 美都子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第19回大会
巻号頁・発行日
pp.40, 2022 (Released:2022-04-20)

川村ら(2021)は、ポイ捨て写真に対する印象を因子分析を用いて、「辟易」「敬意」「世間の目」に分類したが、それぞれどの程度影響を与えているのかは示されていなかった。そこで本研究では、重回帰分析を用いて明らかにすることを目的とした。実験方法は、川村ら(2021)と同様であった。「ポイ捨てのしやすさ」を従属変数、「辟易」「敬意」「世間の目」を独立変数として、ステップワイズ法による重回帰分析を行った結果、「辟易」と「世間の目」が「ポイ捨てのしやすさ」に関連していることが明らかになった。特に「辟易」の影響が強く、ポイ捨てのしやすさとの間に正の影響が見られ、「世間の目」においては負の影響が見られた(y=1.305+0.121x1-0.042x2)。本研究の問題点として、調整済み決定係数の値が低いため、今後も検討の余地がある(調整済R2乗 = 0.095)。