著者
徳井 直生 伊庭 斉志
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111(2003-HI-106), pp.21-28, 2003-11-07

昨今の計算機技術の劇的な進歩は,ラップトップコンピュータを楽器として扱い様々な音響処理をリアルタイムに行うという新しい音楽の演奏形態を生み出した.しかし,そうしたライブパフォーマンスでは,実際に演奏者が何をしているのか,観客の側からは分からないことが多い.そこで,本論文は,3次元ビジュアルインタフェースに基づく音楽パフォーマンスシステムを提案する.音声信号の流れなどの音響的なプロセスやそれらの制御関係などをビジュアルとして聴衆に提示することによって,音楽のパフォーマンスに音以外の新しい意味を付加することを試みる.
著者
小林 茂 徳井 直生 小林 大祐 図師 雅人 森下 静香 岡部 太郎 藤井 克英 後安 美紀 大井 卓也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4B3GS1104, 2023 (Released:2023-07-10)

障害のある人の文化芸術活動における人工知能技術の活用から見えてきた可能性と課題に関して報告する。奈良市のコミュニティ・アートセンター「たんぽぽの家アートセンターHANA」では、身体障害や知的障害のある人々が絵画、詩、演劇など多様な文化芸術活動を行っている。そうしたアーティストたちに共通する課題が、障害の重度化や加齢などにより心身の状態が悪化していく中における創造的な活動や新たな挑戦の継続である。例えば同施設に在籍していた武田佳子は、徐々に身体機能が失われるにつれ、画材や技法を変えながら制作を継続してきた。ここで着目したのがサポーターである。サポーターはアーティストたちの制作活動を支援する人々で、単なる支援に留まらずアーティストに一体化しているかのように見える場面も多数観察された。作品を素材とする画像生成や自助具的なツール制作などの試行を経て、本プロジェクトでは新たなサポーターとしての人工知能に着目した。DALL·E miniやStable Diffusionなどの画像生成技術を活用して取り組んだ活動から見えてきた「表現活動に寄りそう他者としての人工知能」の可能性と課題について報告する。
著者
サベジ パトリック 味見 純 藤井 進也 徳井 直生
出版者
慶應義塾大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

Music is a human universal, but there remains little data on cross-cultural musical variation. We will perform a series of experiments investigating global diversity in perception and production of musical 1) rhythm, 2) melody, 3) harmony, 4) language, 5) creativity, and 6) cooperation. In total we will conduct experiments with thousands of musicians and non-musicians from over a dozen countries around the world. Our findings will have implications for understanding the evolution of music and its place in society, including for composers, instrument manufacturers, copyright legislators, etc.
著者
徳井 直生 伊庭 斉志
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.178-184, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2

⌈Bioshpere of Sounds⌋は,動的な3Dインタフェースを用いたインタラクティブ音楽環境SONASPHEREの上に構築された音響作品である.本作品においては,仮想空間内に球として表現される音響的処理の機能単位が,3次元空間を飛び交いながら相互に作用し合うことで複雑で豊かな音響効果が生まれる.出力される音に関わるプロセスを可視化し,操作できる形で提示することで,音楽を聴取するという行為に音以外の新しい意味を付加することを試みる.