著者
藤井 進也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.79-85, 2012 (Released:2016-04-15)
参考文献数
47
被引用文献数
1

音楽家は,日々弛まぬ練習を積み重ね,初心者にとっては大変困難なリズム運動の生成と同期を実現することができる.これら音楽家の身体運動には,巧みなリズム運動の神経制御メカニズムや,学習に伴う中枢神経系の適応的変化の仕組みを解くための鍵が多く潜んでいる.本稿では,世界最速ドラマーをはじめとした音楽家の運動制御研究について紹介し,高度なリズム運動の生成と同期を実現する音楽家の身体運動制御戦略について解説する.
著者
藤井 進也
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2010-03-23

新制・課程博士
著者
藤井 進也
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.159-165, 2014-08-25 (Released:2017-07-28)

Emerging research field of music and neuroscience has attracted much interest recently on musician's brain and behavior. Nevertheless, motor control mechanisms underlying skilled musical performance are still largely unknown. In this paper, I review recent studies on surface electromyographic (EMG) activity of the wrist flexor and extensor muscles in the winner of a contest to find the world's fastest drummer (WFD). By showing the wrist muscle activity of the WFD, I explain possible neuromuscular mechanisms underlying the exceptional musical performance.
著者
藤井 進也 中島 振一郎 野田 賀大
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、音楽経験を豊富に積んだ高齢者は、音楽経験の少ない高齢者に比べて、ワーキングメモリーや実行機能など、認知課題の成績が優れていると報告された。これらの先行研究を踏まえると、音楽はヒトの認知機能の改善や維持、長寿健康社会の実現に有用であると示唆されるが、その神経生理メカニズムは十分に解明されていない。そこで本研究では、核磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)と、経頭蓋磁気刺激と高解像度脳波の同時計測手法(TMS-EEG)を用いて、音楽家と非音楽家の前頭前野グルタミン酸・γアミノ酪酸(GABA)神経機能を横断比較し、音楽機能・認知機能との関連性を解明する。
著者
藤井 進也
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

リズム知覚生成の個人差に関する音楽神経科学研究を実施した。iOS版ハーバード式ビート評価テスト(HBAT)の開発と信頼性評価を行い、リズム知覚生成の個人差をiPhoneやiPadで簡便に客観評価できる手法を開発した。核磁気共鳴画像法(MRI)・赤外線スペクトロスコピー(NIRS)による脳機能構造評価を実施し、HBATで評価したリズム知覚の個人差に小脳灰白質構造の個人差が関連していること、HBATでテンポ変化知覚を行う際、運動前野、補足運動野の脳活動が増大していることを明らかにした。さらにリズム知覚生成の国際文化比較を行い、日本人のリズム知覚生成の特徴を明らかにした。
著者
藤井 進也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.217-223, 2020 (Released:2021-11-01)
参考文献数
19

ヒトが音を奏で,聴き,楽しむ行為の中には,ヒトという生物の巧みさを理解するための鍵がたくさん潜んでいる.例えば熟練したプロドラマーは,巧みに身体運動を制御し,独特の時間ゆらぎ構造を持ったリズムを奏でることができる.また音を聴くヒトの脳は,音楽家が生み出した独特の時間ゆらぎ構造を巧みに知覚し,感情の豊かさや好ましさを感じることができる.近年の音楽神経科学研究では,脳の予測的符号化理論の観点から,音を聴いて喜び,身体を動かしたくなる感覚(=グルーヴ感)が生じる脳の計算原理についても理解が進んでいる.本稿では,巧みな音楽家の演奏にみられる時間のゆらぎとグルーヴについて解説し,音を奏で聴き楽しむヒトの脳の不思議さに迫る.
著者
サベジ パトリック 味見 純 藤井 進也 徳井 直生
出版者
慶應義塾大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

Music is a human universal, but there remains little data on cross-cultural musical variation. We will perform a series of experiments investigating global diversity in perception and production of musical 1) rhythm, 2) melody, 3) harmony, 4) language, 5) creativity, and 6) cooperation. In total we will conduct experiments with thousands of musicians and non-musicians from over a dozen countries around the world. Our findings will have implications for understanding the evolution of music and its place in society, including for composers, instrument manufacturers, copyright legislators, etc.
著者
村井 純 真鍋 大度 藤井 進也 若林 作絵
出版者
慶應SFC学会
雑誌
Keio SFC journal (ISSN:13472828)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.8-20, 2020

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