著者
我妻 広明
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_2-1_20, 2011-01-25 (Released:2011-03-25)
被引用文献数
1

コンピュータの分野において,自律分散制御方式は集中型システムの開発・稼働における欠点を補うものとして注目され研究が進められて来た.今やインターネット普及等を背景に,分散した情報を知識として再集約する集合知の仕組みを考える必要性がある.全体機能や目的をシステム自身が再定義する,つまり集団全体が意志決定を行うという観点が導入されつつある.工学化において自明であるべき目的すら再構成されるとすればシステム破綻や暴走のリスクが増すことは疑いない.本論では,現実に自律分散制御の内部機構を持ちながら,自らで目的を定義し意図をもって行動計画を立てる「脳」の機能を工学的に再構成する脳型ロボットの立場から俯瞰し,要素の自律性と全体性創出の関係からある種の集合知を得る工学的方法論を模索したい.そして,ネットワークダイナミクスが発展的でありつつも,破綻に向かわない構成論と関連する「意識」の話題を解説する.
著者
三好 竜平 宮崎 椋瑚 橋本 康平 石田 祐太郎 渡辺 政彦 宇井 健一 市瀬 龍太郎 我妻 広明 田向 権
出版者
日本知能情報ファジィ学会
巻号頁・発行日
pp.450-455, 2018 (Released:2019-01-09)

自動運転は,人工知能(AI)によってコンピュータ上で実行される. 事故が発生した場合,自動運転システムは事故の原因を分析するために意思決定の根拠を示すべきである. 本報告では,意思決定の根拠を示す知識ベースAIの統合シミュレータを提案する. シミュレータを構築するには,Autoware,Gazebo,知識ベースAIを組み合わせる. Autowareは自動運転用のオープンソースソフトウェアであり,Gazeboは任意の道路環境をシミュレートすることができる.提案シミュレータを用いて,自動運転のための知識ベースAIの実用性を何度も検証することができる.実験結果は,提案されたシミュレータが意思決定の根拠の提示に成功していることを示している.