著者
田向 権 関根 優年
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.166-173, 2013-12-05 (Released:2014-02-07)
参考文献数
24

本稿では,ニューラルネットワークを応用する際に必須となるシステム化のアプローチとして,hw/sw複合体を解説する.hw/sw複合体では,ハードウェア部はオブジェクト指向の開発環境に組み込まれ,hardware objectとしてソフトウェアと同様に取り扱うことが可能である.ニューラルネットワークのような膨大な演算量を必要とする部分をhardware objectとして整備することで,システム全体の高速化·省電力化が可能となる.この有効性を示すために,自己組織化マップをベースとしたニューラルネットワークの実装例を併せて紹介する.
著者
三好 竜平 宮崎 椋瑚 橋本 康平 石田 祐太郎 渡辺 政彦 宇井 健一 市瀬 龍太郎 我妻 広明 田向 権
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.450-455, 2018 (Released:2019-01-09)

自動運転は,人工知能(AI)によってコンピュータ上で実行される. 事故が発生した場合,自動運転システムは事故の原因を分析するために意思決定の根拠を示すべきである. 本報告では,意思決定の根拠を示す知識ベースAIの統合シミュレータを提案する. シミュレータを構築するには,Autoware,Gazebo,知識ベースAIを組み合わせる. Autowareは自動運転用のオープンソースソフトウェアであり,Gazeboは任意の道路環境をシミュレートすることができる.提案シミュレータを用いて,自動運転のための知識ベースAIの実用性を何度も検証することができる.実験結果は,提案されたシミュレータが意思決定の根拠の提示に成功していることを示している.
著者
田向 権 有泉 政博 ベルグシュタイン ナダヴ ロブリア ジョナタン 関根 優年
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.229, pp.1-6, 2010-10-07

本論文では,hardware object modelに基づくnetworked hw/sw complex systemのデザイン例を述べる.提案するデザインフローでは,ハードウェア部はオブジェクトとして扱われる.ソフトウェアのオブジェクトと同様に,ネットワーク上の任意のアプリケーションから,動的な生成・実行・削除が可能である.ハードウェアオブジェクトはFPGA内の仮想回路空間にロードされ,アプリケーションの演算速度を加速する.この実現のために,ハードウェアオブジェクトの遠隔動的再構成,遠隔操作,仮想化技術を提案する.さらに,networked hw/sw complex systemのプラットフォームとして,hwModule FPGA Board series及びSystem Develoment Kitを開発した.動画像コーデックを用いたWEBアプリケーションの実装例を通して本手法の有効性を述べる.hw/sw複合体
著者
眞鍋 慧太 上垣 利果 田向 権 関根 優年
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.483, pp.209-214, 2012-03-07
参考文献数
7

発声器官の形状は筋肉により複雑に変化し,その違いによって,言葉として認識できるような様々な音声が生まれる.我々は,音の伝達・反射・重ね合わせを行う仮想的な物理空間を論理回路でFPGA内に構成し,音声,筋肉の動きをパルス密度によって表現,それを最終的にニューラルネットで制御することを目指している.これまで声道部分回路のレジスタを3並列構成とすることで声道内での波の重ね合わせを表現してきた.また,口腔部の広がりをモデル化し,分岐するレジスタを持つように改良を行った.しかしながら,自然な音声は得られていない.本稿では現在のモデルをより精密化し,制御を行うためにモデル化した声道内で起きている物理現象を解析し,以前の合成システムにおいて明らかになっていなかった各調音パラメータとの対応関係について報告する.