著者
木村 弥生 戸田 年総 平野 久
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.5-8, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
3

タンパク質は,翻訳後修飾(PTM)を受けて,その性質を多様に変化させる.そのため,タ ンパク質の機能を理解する上で,質量分析装置を用いた網羅的な解析によって取得できるPTM情報が重要になる.しかし,このような解析によって取得できるタンパク質のPTM情報の大部分は有効活用することができない.そこで,私たちは,PTM情報を統合し,管理するためのシステムを構築し,さらには,タンパク質のPTM情報を集めた独自データベース,ModProt(Post-Translational Modification Map of Proteome)を作成した.今後,ModProtは,PTM研究を推進するための重要なツールとして,また,PTMを標的とした個別化医療実現に向けた強力なツールとして,様々な研究に応用されることが期待される.
著者
戸田 年総 中村 愛 芝崎 太
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

二次元電気泳動と質量分析に基づくプロテオーム解析技術を用いて、髄液中の酸化修飾蛋白質の網羅的探索を行った。その結果、アルツハイマー病の患者の髄液中では、それ自体がアミロイド病の原因となる一方でβアミロイドとの結合性を有し、βアミロイドのオリゴマー形成を阻害することによりアルツハイマー病の発症に対して抑制的に働いている可能性が示唆されているトランスサイレチンが特に強く酸化を受けていることがわかった。