著者
豊原 潤 石渡 喜一 坂田 宗之 石井 賢二 織田 圭一
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では、αシヌクレインの凝集体を選択的に画像化するPET分子プローブの開発を目的として、設計、合成、標識合成ならびに生物学的評価を行った。文献上αシヌクレインへの結合性が報告されているフェノチアジン系5化合物とポリフェノール系1化合物の合成、標識合成とインビボ評価を行ったところ、フェノチアジン系4化合物において高い放射化学的収率で標識体を得、小動物専用PETにてαシヌクレイン・イメージングに適した脳内動態を示すことが確認された。一方、フェノチアジン系1化合物とポリフェノール系1化合物は脳への集積性を示さなかった。フェノチアジン系化合物がαリード化合物として有用であることが示された。
著者
鈴木 宏幸 石井 賢二 飯塚 あい 小川 将 村上 深
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、認知機能の低下のない高齢者を対象とする囲碁を活用した認知機能低下抑制プログラムを開発し、その効果を多面的に評価した。対象者を、集団でコミュニケーションをとりながら囲碁を学習するグループ(集団群)、タブレットPCを用いて個人で学習するグループ(個人群)、囲碁を学習しない対照群に振り分けた。認知機能検査の結果、集団群と個人群では視覚情報処理に関する記憶機能が向上し、その効果は個人群よりも集団群で大きかった。また、プログラム受講により脳活動の増加が示され、1年後のフォローアップ調査の結果では囲碁の学習を継続している者は精神的健康が向上することが示された。
著者
青木 彩
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々は2010年に埼玉県鳩山町でスタートした鳩山町研究の追跡調査とリンクして加齢黄斑変性(AMD)の有病率について調査を行った。その結果初期AMDが37.9%後期AMDが0.6%に認められることを発表している。又AMDの発症に関連する因子の検討として年齢、性別、全身既往歴、喫煙歴、研究開始時の炎症性血液マーカーとの関連を多変量解析を用いて検討し、又complement factor H (CFH)I62Vとage-related maculopathy susceptibility 2 (ARMS2)A69S遺伝子多型との関連をMantel haenzel法を用いて検討した。その結果CFHI62VとARMS2A69S遺伝子多型とAMDの発症とに有意な関連があることをこれまでに報告している(P=0.029、P=0.025)。又我々は自己式簡易食事歴質問票(BDHQ)を用いこの鳩山町研究コホートと東京大学付属病院黄斑外来に通院している滲出型AMD患者との栄養摂取量の比較を行った、その結果n3不飽和脂肪酸、アルファトコフェノール、亜鉛、ビタミンD、ビタミンC、ベータカロテンといった抗酸化物質の摂取と滲出型AMDの発症とに有意な関連があることを報告している。さらに我々は最近後期AMDとの関連が指摘されているコレステリルエステル転送タンパク(CTEP)遺伝子多型やHCLコレステロールといった脂質代謝と早期AMDとの関連を解析中であり、また上記の結果をふまえ他のコホート(群馬県 草津)でAMDの有病率および発症因子の解析を準備中である。
著者
半田 節子 石神 昭人
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

アルツハイマー病患者の脳(海馬とその周辺)では、シトルリン化蛋白質の異常な蓄積が確認された。また、プロテオーム解析によりグリア繊維酸性蛋白質(GFAP)、ビメンチンがシトルリン化されていることを同定した。さらに、アルツハイマー病の早期診断を行う臨床検査診断薬となるシトルリン化GFAPを高感度に検出するELISAシステム(酵素免疫測定法)を構築した。
著者
高橋 眞由美 清水 孝彦
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

コエンザイムQ(CoQ)は抗老化作用が期待される栄養補助食品の1つであるが、その作用や効果については科学的に充分に検証されていない。そこでマウスを用いて解析した結果、加齢に伴って脳のミトコンドリア機能が低下したマウスに水溶性CoQ10を飲水投与したところ、CoQは脳関門を通過して脳細胞のミトコンドリアに到達し、ミトコンドリア機能を若齢マウスレベルに回復させることが判明した。またCoQ合成酵素をコードしている遺伝子のひとつであるclk-1がミトコンドリア機能の調節を介して寿命に影響を与えている可能性を明らかにした。
著者
北村 明彦 木山 昌彦 野藤 悠 山岸 良匡 横山 友里 谷口 優 清野 諭 新開 省二 西 真理子 村木 功 阿部 巧 山下 真里 陣内 裕成
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

地域住民の疫学研究により、生活因子(身体活動、食事、喫煙、飲酒、精神的ストレス等)、医学的因子(脳卒中、心疾患、動脈硬化、メタボリックシンドローム等の生活習慣病、及び低栄養、サルコペニア、認知機能低下、うつ等の老年症候群)、社会的因子(社会参加、近隣・地域との交流、ソーシャルサポート等)がフレイルの発症に及ぼす影響を中年後期、前期高齢期、後期高齢期の年齢層別に明らかにする。
著者
青柳 幸利
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

高齢者の日常身体活動を加速度計により10年間連続して測定し、どのような活動パターンが心身の健康、特に骨量・筋量維持に最適であるのかを縦断的に明らかにした。特に歩数および中強度活動時間と骨粗鬆症・骨折の発生との関係について分析した結果、当該病態の罹患率を抑えるための至適活動閾値は、男女とも歩数>7,000~8,000歩/日かつ/または中強度活動時間>15~20分/日であった。また、女性において、骨折の予想リスクは歩数が1日に6,800歩未満の参加者で8,200歩以上の人に比べると5~8倍も高く、中強度活動時間が1日に15分未満の参加者は24分以上の人と比べて3~4倍も骨折しやすいと見積もられた。
著者
倉岡 正高 藤原 佳典 鈴木 宏幸 飯塚 あい 内山 愛子 長畑 萌 村上 深 南 潮
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、こどもの教育・文化的環境づくりと高齢者の健康増進を目的とした囲碁を活用した世代間交流プログラム「iGOこち」を開発し、こどもの対人関係能力や高齢者へのイメージに与える影響、高齢者の認知機能と心理社会的側面に与える影響について検討した。プログラムの内容は、プロ棋士による講義、個人戦、高齢者とこどもが協力し合う練習問題、チーム戦(ペア碁)などである。調査の結果、こどもは高齢者への尊敬と思いやりの心を養い、知的活動に消極的な傾向にある高齢者において注意・実行機能が向上する可能性が示唆された。
著者
東原 真奈
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

【目的】小児神経筋疾患の診断にClustering Index(CI)法の有用であるかを検討する【方法】対象は神経筋疾患の患児39名(神経原性疾患15名,筋疾患24名,年齢8.8±4.1歳).前脛骨筋における1秒間の随意収縮活動記録(epoch)を1名につき20~50個記録し,CIおよびareaを算出した.【結果】神経原性疾患836 epochと筋疾患992epochを解析.本法により神経原性疾患7名,筋疾患14名を正しく診断可能で,特に脊髄性筋萎縮症で7名中4名,Duchenne型筋ジストロフィーでは12名中9名が判別できた.【結論】CI法は小児神経筋疾患の鑑別診断において有望な方法である.
著者
田久保 海誉
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

患者データベースの解析から、母親から胆道閉鎖症の女児、男児への移植は拒絶反応の低いことがわかった。また、レシピエント年齢が低いことが、免疫抑制剤からの離脱に有利であることが示唆された。年齢の高いドナーからの移植では、レシピエントの肝細胞のテロメアの短縮が高度であることがわった(Q-FISH法による測定)。移植片のテロメアは免疫学的によくコントロールされている症例では、延長する症例がみられた。母親からの男児への移植片中には多数のY染色体陽性細胞(主に血管内皮細胞)が観察された。しかし、ケラチン陽性細胞ではきわめて少数であった。
著者
青崎 敏彦
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

常同行動に関連する神経回路の一部である線条体ストリオソームの投射ニューロンはμオピオイド受容体を持つが、このμオピオイド受容体はムスカリン受容体と拮抗していた。行動パターン形成時のアセチルコリンの放出低下はprotein kinase Cの低下を来たし、μオピオイド受容体活性化による線条体ニューロンに対する抑制性シナプス後電流の抑制を更に増強することによってストリオソームの活動を脱抑制する。
著者
高橋 龍太郎 伊東 美緒
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、広島とパール・ハーバーにおいて戦争被害を受けた日米51名の高齢者へのインタビューデータ分析を通じて、彼らの人生における健康の転換点を見出すことである。広島被爆者からは「被爆者になること」というテーマが、パール・ハーバー生存者からは「時に現れる誇りに思う記憶」というテーマが浮かび上がった。広島被爆者においては生涯持続し更新される健康体験の核を形成し、パール・ハーバー生存者においては折に触れて現れる体験であった。体験や国を超えて、他者とのつながり、平和の希求が一貫して表出された。
著者
金 憲経 鈴木 隆雄 吉田 英世 島田 裕之 齋藤 京子 古名 丈人 大渕 修一
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

都市部在住後期高齢者におけるサルコペニア有症率は22.1%であった。サルコペニア高齢者の特徴を調べるために、サルコペニアと判定された304名とサルコペニアと判定されなかった正常者1,073 名の調査項目を比較した。その結果、サルコペニア群は正常群に比べて、年齢が高く、下腿三頭筋周囲、骨密度、BMI、筋肉量は有意に低値を、健康度自己評価で健康だと回答した者の割合、定期的な運動習慣を持っている者の割合は低かったが、外出頻度が少ない者の割合は高値を示した。既往歴においては、高血圧症、高脂血症は正常群より低い割合を示したが、骨粗鬆症の既往はサルコペニア群38.2%、正常群30.7%、60歳以降の骨折歴はサルコペニア群28.6%、正常群22.9%、過去1年間の転倒率はサルコペニア群26.5%、正常群16.4%といずれの項目においてもサルコペニア群が有意に高い割合を示した。以上のことから、サルコペニア高齢者は、転倒のみならず骨粗鬆症に伴う骨折危険性が高いことが示唆され、その予防策の早期確立が重要なポイントであることが強く示唆された。サルコペニアの早期予防を目的とした運動、栄養補充の効果を調べるために、介入参加者155名をRCTにより運動+栄養群38名、運動群39名、栄養群39名、対照群39名に分け、運動群には週2回、1回当たり60分間の筋力強化と歩行機能の改善を目的とした包括的運動指導を、栄養群にはロイシン高配合の必須アミノ酸3gを1日2回補充する指導を、3ヶ月間実施した。その結果、四肢の骨格筋量および通常歩行速度は運動群、栄養群、運動+栄養群の3群で有意な増加が観察された。しかし、下肢筋力を評価する膝伸展力は運動+栄養群のみで有意な向上が観察された。これらの結果より、サルコペニア予防のためには、運動指導に必須アミノ酸を含んだ栄養を補充する複合介入がより効果的であることを検証した。
著者
伊集院 睦雄
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

読解とは,文字を入力とし意味を出力とする計算過程であり,その計算には,文字表象から直接その語の意味表象を計算する過程(orth→sem)と,文字表象からその語の音韻表象を計算した後,そこから語の意味表象を計算する過程(orth→phon→sem)がある.本研究では,意味の計算における両過程の役割分担に注目し,人工的ニューラル・ネットワークを用いたシミュレーション実験を行った.日本語の音読と読解を学習したモデルにおいて,orth→semとorth→phon→semの各処理過程を孤立させて意味を計算し,両処理過程の寄与を漢字と仮名の表記別に検討した.その結果,漢字語全般における両処理の寄与率に差は認められなかったが,orth→semの一貫性が高い漢字語の意味計算では,直接計算過程の寄与が高かった.一方,仮名語では,音韻媒介過程の寄与が高かった.本結果は,日本語の読解における意味の計算過程の役割分担が,表記によって異なる可能性を示唆する.
著者
戸田 年総 中村 愛 芝崎 太
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

二次元電気泳動と質量分析に基づくプロテオーム解析技術を用いて、髄液中の酸化修飾蛋白質の網羅的探索を行った。その結果、アルツハイマー病の患者の髄液中では、それ自体がアミロイド病の原因となる一方でβアミロイドとの結合性を有し、βアミロイドのオリゴマー形成を阻害することによりアルツハイマー病の発症に対して抑制的に働いている可能性が示唆されているトランスサイレチンが特に強く酸化を受けていることがわかった。
著者
豊田 雅士 梅澤 明弘 五條 理志 板倉 陽子 上 大介 三好 俊一郎 肥田 直子 井上 麻油
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

幹細胞移植医療における安全性や有効欧の検証として、前臨床研究としての中大動物実験が求められる。本研究ではヒトで心筋分化能が高いとして期待される羊膜細胞をブタ羊膜から樹立しヒト細胞と比較した。さらにブタの心不全モデルを作製し、そこに細胞を移植し評価した。その結果、ブタ羊膜細胞はヒトと同等な特性を有しており、移植により心機能が改善し、移植した細胞は生着後心筋への分化が認められた。
著者
村山 繁雄 齊藤 祐子 石井 賢二 初田 弘幸
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

レビー小体型認知症(DLB)、パーキンソン病(PD)の認知症の責任病巣として、特異な線条体へのアミロイドβ沈着が原因と、ペンシルベニア大学、ロンドン大学からの報告で示されたことを受け、高齢者ブレインバンクプロジェクトで、PIB PETとドーパミンPETによる臨床例における線条体の検討と、死後脳におけるアミロイドβ蛋白とリン酸化αシヌクレイン沈着を免疫組織学的に線条体で検討する二つの方法で行った。DLB、認知症を伴うPD(PDD)51例と、認知症を伴わないPD(PDNC)48例の神経病理学的差分の検討で、辺縁系(扁桃核、嗅内野、CA2)、線条体、新皮質のαシヌクレイン沈着が抽出された。老人班に関しては、新皮質については抽出されたが、線条体は抽出されなかった。また、新皮質のAβ沈着はαシヌクレイン沈着を誘導する傾向が確認されたが、線条体沈着への促進作用は確認されなかった。なおこの研究期間3年間の新規蓄積例は13例であった。またこの検討過程で、αシヌクレイン沈着のみが有意で、アミロイドβ沈着、タウ沈着が軽度であり、認知症を呈するいわゆる純粋型レビー小体型認知症が23例検出され、辺縁方20例、新皮質型3例であった。これらの症例は、線条体のAβ沈着はないかほとんどなく、責任病理としての意味は少ないと考えられた。DLB/PDDとPD 3例ずつの差分で、DAT Scan(^<11>C-CFT PET)で、尾状核の集積低下が検出された。しかし、^<11>C-PIBでは新皮質はDLBの一例のみ陽性所見が検出されたが、尾状核を含め、線条体は全例で検出されなかった。研究期間中PDD一例の剖検所見が得られたが、辺縁型に分類され、新皮質にごくわずかびまん性老人班を認めるのみであり、線条体にはAβ沈着は認められなかった。以上の検討より、新皮質のアミロイドβ沈着は、レビー小体病理の新皮質への進展を促進することで、レビー小体型認知症の認知機能低下に影響を与えうるが、線条体における存在が、積極的に認知機能に影響を与えている結論は得られなかった。ただし、DLB/PDDにおける尾状核のDAT scan低下は、PDDに関しては病気の進行期であるためとの説明が可能であるが、DLBの場合の原因は、課題として残った。
著者
伊東 美緒
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

通所介護施設を利用する認知症高齢者を対象として、週に2回、3か月間、施設から200-500m離れた公園などにでかける「寄り道散歩」プログラムを実施した。22名から同意を得たものの、1年間プログラムに参加して追跡できたのは10名のみであった。散歩をしない時期と散歩をする時期を交互に2回繰り返したところ、2回目のプログラム実施時に自宅における認知症の行動・心理症状(BPSD)の出現頻度が低下する者が半数を占めた。CDR3の認知症が重度の者2名も1年間追跡することができ、認知症の程度にかかわらず、歩行機能が保たれていれば混乱せず実施できる活動プログラムとして活用できる可能性がある。
著者
野中 久美子
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

加齢に伴い身体・認知機能の衰え始めた高齢者ボランティアであっても、ボランティア仲間と高齢者自身が「老い」に伴う健康課題を受容・理解し、活動内容を変更する・活動頻度を減らすなど柔軟な対応をおこなっている場合には、長期のボランティア活動継続が可能となっていた。そこで、健康課題を有する者の活動継続が可能なボランティア団体・グループの「雰囲気」を醸成することを目的とした研修プログラムを開発・実施した。