著者
戸田 貴子
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.70-83, 2003-08-30
被引用文献数
2

In this paper, I first introduce some previous acoustical studies concerning Japanese special morae. Following this, I seek to review previous studies on the acquisition of special morae by Japanese language learners. The reviews are conducted from the viewpoint of both perception and production. Finally, I suggest research areas pertaining to second language speech perception and production as directions for future study.
著者
戸田 貴子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.47-57, 2009 (Released:2017-04-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本稿では,近年の学習者音声に関する研究成果を紹介し,音声教育実践について述べる。 三つの調査の結果から,1)発音上の問題がコミュニケーションの弊害になっているとの認識を学習者が示していることが明らかになった。一方,2)大人になってから学習を開始した場合でも,学習次第でネイティブレベルの発音習得が可能であることがわかった。また,3)学習成功者は発音学習に対する意識・学習方法・インプットの量などの理由に支えられて高い発音習得度を達成したことが示唆された。 これらの研究成果を踏まえ,教室内外において発音練習ができる学習環境を整備し,学習機会を提供することにより,自律学習を促していくことを提案した。具体例としては,1)シャドーイング練習用DVD教材,2)オンデマンド日本語発音講座,3)日本語発音練習用ソフトウェアの開発について述べた。
著者
戸田 貴子 大久保 雅子 千 仙永 趙 氷清
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.32-46, 2018 (Released:2020-08-26)
参考文献数
13

本研究では,大規模公開オンライン講座 (MOOCs) における発音の相互評価について分析する。本講座は,世界中の日本語教育関係者に向けて無料配信されており,170の国や地域から登録した受講者は35,000名を超えている (2018年5月17日現在)。本研究は,受講者が相互評価に継続的に参加できたのか,コメントにはどのような特徴があったのかを明らかにすることを目的とする。 分析の結果,以下のことが明らかになった。1) 受講者の相互評価への継続参加率は高かった。2) 相互評価に継続参加した受講者は,具体性の高いコメント (問題点,修正方法の指摘) を継続して書く傾向がみられた。また,最初は具体性の高いコメントができなかった受講者も,継続参加することによって具体的な指摘ができるようになっていった。 以上の結果から,オンライン上でも発音学習の継続が可能であり,相互評価が受講者の学びを促すことが示された。