著者
手塚 千尋
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.233-240, 2018

<p>本研究は美術教育における「協同的な学び」を「協同的創造」の学習活動と定義し,アート(美術)による協同的問題解決の学習活動として取り組むための理論構築及び方法の検討を目的としている。本稿は,デザインベース研究(design-based research; DBR)に則り,前稿で再検討した仮説理論に基づく実践の相互作用分析を通して,協同的創造による問題解決場面から10の要素を抽出し,「協同的創造」の3つの学習環境デザイン原則を導き出した。1)構成員が集団的責任を認識し,役割の発見ができること,2)ことばと視覚の対話によるアイデアの生成と共有ができること,3)アイデアの多様性の保証と発展を実現することである。今後は,協同的創造による問題解決の各場面で発揮される「スキル」を明らかにし,アート(美術)の協同的創造の学習活動で育成できる資質・能力を含むコンピテンシーを検討していく。</p>
著者
茂木 一司 布山 毅 廣瀬 浩二郎 伊藤 亜紗 手塚 千尋 宮本 聡 大内 進 笠原 広一 池田 吏志 山城 大督
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

視覚障害教育は粘土造形による「触る美術教育」として発展・認知されてきたが,近年対話型鑑賞などによる「触らない=言葉による鑑賞」が注目を集めはじめ,二極化もみられる。本研究は,そのような触る/触らない、もの/テキストなど視覚障害美術教育における二元論的な対立を回避し,見えない人も見える人も「ともに歩めるインクルーシブアート教育」の理念と具体的なアナログ・デジタルメディアを使った題材・教材およびカリキュラム作成をめざして,取り組む実験的な研究である。