著者
渡邊 高志 折笠 貴寛 佐々木 邦明 小出 章二 椎名 武夫 田川 彰男
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.387-394, 2014-09-01 (Released:2017-03-27)
参考文献数
28
被引用文献数
3

熱湯およびマイクロ波によるブランチング処理が,キャベツの遠赤外線および熱風乾燥における水分蒸散速度と品質変化(Brix糖度,L-アスコルビン酸)に及ぼす影響を検討した。ブランチング処理における水分蒸散速度の増加は,熱湯ブランチング処理における試料の軟化と,熱湯およびマイクロ波双方のブランチング処理における収縮抑制によるものと推察された。乾燥物におけるBrix糖度とL-アスコルビン酸は,熱湯処理と比較してマイクロ波処理で保持される傾向にあった。
著者
今泉 鉄平 折笠 貴寛 村松 良樹 田川 彰男
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.11-18, 2013-01-15 (Released:2013-02-28)
参考文献数
31
被引用文献数
1 4

サトイモおよびナガイモの熱湯浸漬過程におけるカリウム溶出現象は拡散方程式の無限円筒モデルで説明された.また,サトイモおよびナガイモのブランチングへマイクロ波(包装試料,無包装試料)および熱湯浸漬を適用し,酵素活性,色彩変化,硬さ,質量損失率,カリウム損失率について検討したところ,以下の知見が得られた.(1) いずれの試料に関しても,試料中のPODの失活までに要する時間は包装,無包装,熱湯浸漬の順で短く,マイクロ波ブランチングによる時間短縮効果が明らかとなった.(2) ブランチング後にはいずれの方法においても色差の増加が見られ,とくに,サトイモでは処理法の違いによる色彩変化の差が顕著であった.(3) マイクロ波ブランチングを行った場合には試料に著しい軟化が見られた.(4) マイクロ波ブランチングを行うことでドリップの発生を抑制することができた.(5) カリウム損失率は加熱後,冷却後,解凍後それぞれにおいて熱湯浸漬よりマイクロ波によるブランチングを用いた試料のほうが低い値となった.以上のことから,サトイモおよびナガイモのブランチングには包装した試料にマイクロ波を照射する方法が有用である可能性が示唆されたが品質に関しては更なる調査が必要である.